高梁市成羽美術館
高梁市は住まいする吉備中央町の西隣にあり、井原などの県西部へのアクセス、また新見などへ向かうおり、かならず市中心部付近を通ることになります。道路脇を悠然と流れる高梁川。その高梁川に注ぐ源流の一つ、成羽川が成羽美術館付近ではすぐ脇を通る国道313号線と平行して流れています。迫る山肌、幅の広い川の流れ、ゆかりの児島虎次郎もこの変わらぬ流れを見たにちがいないと今回のメインの絵は川面の姿にしました。
美術館脇を走る国道313号線、その北側に流れる成羽川ですが、美術館付近は間に旧道、また昔の町並みもあって川を意識させることは少ないと思います。美術館西側の信号、歩道を渡り、わずかな傾斜を登ると対岸と繋ぐアンティックな橋が現れます。川に沿っての堤防、道を歩いてみるとお地蔵さんがあったり、また酒蔵の屋根が見えます。川辺に降りられる場所もあり、流れを間近にも見る事が出来ました。鷺や水鳥、川面に映る魚影。変わらない時間の流れです。
旧道にはまだまだ古い家並みが残り、老舗の酒蔵もありました。昔はこの高い堰堤も無く、川が間近に感じられたに違いありません。対岸の山が近く感じられました。旧道の商店街、エントランスにあるニケの像が印象的な市役所もこの側にあります。児島寅次郎の生家もこの近所だそうです。
成羽美術館自体、また児島虎次郎さんの紹介については紀田順一郎さんの解説に詳しいのでそちらを参照いただくとして、取材時、石垣の上に咲く梅の花が印象に残りました。最後のカットは、コンクリート打ちっぱなしの美術館壁面と、古い石垣の上に咲く白い梅の花、蒼く見える遠景の山並み、近景の桜の古木としました。時間の経過、歴史、その流れの中の一瞬の出来事。○Web吉備悠久:紀田順一郎さんの「高梁市成羽美術館」も是非ご覧ください。http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2011/082301/index.html
2011年7月16日〜10月10日まで高梁市成羽美術館では生誕130年記念展「総合デザイナー 児島虎次郎 生活の芸術化をめざして 」という企画展が行われています。倉敷にある大原美術館の主要コレクションが大原孫三郎の庇護のもと虎次郎によって選ばれ集められたのは周知のことですが、そのほかにも留学時、工芸作品なども収集し、それを自身の研究資料として、今で言うなら倉敷の町おこし特産品創出にも活躍されたのだそうです。コレクションされた工芸品の数々、大原美術館前にある今橋の造作資料写真、家具、デザイン、実際に制作された品々を紹介する展覧会です。高梁市成羽美術館 問い合わせ 電話 0866−42−44559月3日(土曜日)午後1時30分〜2時30分児島塊太郎氏による「児島虎次郎の工芸へのまなざし」という講演が予定されています。(先着50名)※安藤忠雄氏の設計による美術館としても有名です。
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