白壁の街 倉敷・美観地区
倉敷美観地区といえば、大原美術館、アイビースクエアー、江戸情緒のある町並み、中央を流れる掘割の存在。そして修学旅行、古くはディスカバージャパン、、”いい日旅立ち”。子供の頃、瀬戸大橋の岡山側のたもととなる児島で育った私にとって、山を間に挟んで距離のある倉敷美観地区はかなり遠い存在でした。その後、美術を志す様になり、私にとって倉敷・大原美術館は、西洋美学を実物で教えてくれる教科書のような存在となったのです。観光地として有名な場所。なるべくなら発見を楽しみたいと、メインの絵は、堀沿いの通りと古い商店街を繋ぐ老舗旅館の脇を通る小路としました。空からの光に呼応する壁の様子に惹かれました。
造り酒屋、全国の美味しい食べ物を並べたお店。焼き鳥屋さん、気取らない瀬戸内の旬を食べさせてくれるお店、構えの素敵な老舗旅館。関東風の蕎麦を食べさせてくれるお店、個性的な古本屋さん。一本入った路もゆっくり歩くと色々な表情を見せてくれます。神社の境内を通り、藤の名所、裏の墓地、寺の脇を抜けて山の反対側へ、これも風情の感じられるコースです。
あまりに有名な場所すぎて、描くのもはばかられるといいますか、、、。簡単なカットで。明治、大正、大きな時代の変化の中で大原孫三郎、児島虎次郎がなし得たことの凄さ。何事ももの凄い早さで消費される今、その存在の大きさをあらためて感じます。
ここで紹介している画像は、作家・紀田順一郎さんとの共著『吉備悠久』(山陽新聞社刊、2006)に収録されたものです。紀田順一郎さんの「倉敷美観地区(岡山県)」は、以下リンクよりどうぞ。http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2012/052801/index.html
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