ローマの丘 牛窓町
牛窓、この地域ではありませんが、子供時代を瀬戸内の海沿いで過ごした私にとって見慣れた景色と言えなくもない光景が目の前に広がります。穏やかな海、日差し、島影。昔、中国から旅行で来られた方は、この瀬戸内海を見て、「日本にも大きな河があるんですね。」と言ったとか言わなかったとか。 遊覧船に乗って海から純光で見る牛窓の緑、海岸線の輝きに、ハッとするような新鮮さを感じました。海の色が違って見えるのです。 そういえば、四国側からの瀬戸内海の印象と、本州側(岡山や広島)からの印象が異なるという話を昔聞きました。逆光と純光の違いなのです。 同じ瀬戸内沿岸の育ちといっても海に感じる色の違いは何かしら海に対するイメージを変え、異なった地域性をもたらすのかもわかりません。
白い壁が印象的なホテルを離れ、急に立ち上がる様な海に面した小高い丘へ。アイスクリームを売っている店がありました。 散策を続けていると、オリーブ畑の先に何故かローマにあるようなエンタシスの柱が目にとまりました。日本の地中海?とも呼ばれる瀬戸内の風景として、メインの絵は夏空とこの柱、そしてオリーブを描く事に決めたのです。
搭、寺の境内越しにみる瀬戸内海、島影。海を見下ろす有名なポイント。お寺の階段脇に備前焼の装飾がありました。焼き物で有名な備前もほど近い場所です。取材途中、刀剣博物館にも立ち寄った事が思い出されます。そして現在! 有名なアニメ、エヴァンゲリオン。話の中で出て来たロンギヌスの槍、今年(2012年)、刀匠が試みたロンギヌスの槍制作と、その特別展示に大変多くの来場者があったそうです。 今年話題の映画にはローマの温泉?お風呂も取り上げられているそうです。原作はコミックだとか、町興し、話題作りにアニメネタも有効な時代となりました。 B級グルメ、牡蠣オコで有名な日生もすぐ近くです。瀬戸内の島を結んでのアートの話題。見所たくさんのこのエリア!。そしてここ牛窓では瀬戸内市立美術館も開館し、意欲的な展覧会企画が次々に行われています。 瀬戸内の光、秋になり空気が澄んで来ると四国がよく見えます。これからの季節、夏の盛りとは違ったまた光景を見せてくれる事でしょう。ここで紹介している画像は、作家・紀田順一郎さんとの共著『吉備悠久』(山陽新聞社刊、2006)に収録されたものです。紀田順一郎さんの「牛窓・ローマの丘」は、以下リンクよりどうぞ。http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2012/082301/index.html
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