岡山の膠(膠製作実験その2)
猟師さんからいただいたままの状態の皮プレ実験の経過と問題点の洗い出しなど
毛、皮の裏についた脂肪分、肉などを前もって処理します。この段階で出来るだけ皮だけになるようにするのが良い膠を作るために必要な行程だとか。アドバイスいただいた方によると、必要以外の成分が溶け出すのを防ぐためのようです。なお、昔の膠制作では、革製品を作ったあまり、屑皮を用いたとのことです。石灰をまぶして制作する冬まで保存したのだとか ※資料 森田恒之 接着剤について膠、その他
毛をできるだけ綺麗に取り去り、処理する意味とは果たして何か?革製品を作った残り、屑皮であるなら、当然のこととしてそのように処理されていたことでしょう。今回のように新鮮な皮を煮だして作る場合、毛、毛根などから溶け出す成分が問題になるのかもわかりません。
当然、脂肪、肉も削り落とします。含まれる脂肪分が多いと、乾燥しにくくなり、また接着力も弱くなりそうなことは想像できます。
今回は荒くはさみで切り取ったあと、削り落とすような形で毛を処理しました。高圧洗浄機で洗う、カミソリで剃りとる、熱いお湯に一度くぐらせる、焼きとるなどどのあたりまで処理が必要なのか?時間の掛かる工程です。昔、原料として屑皮を使っていたおり、石灰をつけて皮を保存したといいます。この石灰の役割には、腐敗防止と共に、表皮のケラチンを分解して抽出しやすくする働きもあったとのことです。このあたりも何か考えたいところです。
細かく刻み、煮出します。当然、煮出すためにはできるだけ表面積、断面を多くしたほうが良いでしょうから。細かく刻むほうがよさそうです。水の分量、温度、煮出し方。ポイントだと思われます。
原料となる動物の皮を刻んで煮出し、そして出来た液を取り出して固める。シンプルな行程ですが、実験してみるといろいろな問題にぶつかります。どんな成分がどのように働くのか?必要な成分をうまく取り出すためには?
煮だしたあと、水分を飛ばし、煮詰め、濃度を上げます。保水性、吸湿性が多くなりすぎると、使いにくいものになります。一方、純粋な接着力のみを求めると、洋ニカワに近いものになりそうです。
腐らせず、余分な水分を飛ばしてどのように乾燥させるか?保存性の良い状態にするまでにもノウハウはあるようです。というわけで? 現在、乾燥させている状態です。ナトリウム、カリウム、リンなどが多いと乾燥しにくいのだとか、、。一方、和ニカワらしい性質獲得のためには保水性ということも重要な要素です。
骨を使った実験、鳥の皮での実験などなど、、、面白がって実験は進んでいます。画像は骨を煮だしている様子です。温度計も見えますね。^^
この手作り小屋で体験会?見学会は行われる予定です。
薪ストーブ、鍋などもできます。
山の風景も見えます。珍しい鶏スケッチも出来る予定です。吉備高原独自のカーボンも手に入れました。このニカワで墨も作って試してみましょう。
横野和紙の上田さんがイベントに来てくれることになりました。箔合紙を作られている方です。金箔や銀箔の間に挟んでいるあの紙です。三椏を原料としての紙漉き体験も出来る予定で計画は進んでいます。実施は、2月3日(日曜日)4日(月曜日)山中、真冬。雪があるかも分かりません。凍結もあるかもわかりません。また狭いところです。一時に来客、参加者が集中すると混乱も予想されます。見学、参加希望の方は前もって、どの日、どの時間あたり、どのくらいの人数でご希望かご連絡くださるとありがたいです。 メールはモリヤマまで。
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