白石島 笠岡市
夏の終わり、瀬戸内ならではの姿をと、笠岡諸島の一つである白石島に向かいました。 陸から続く濃い緑を傍らに狭い入江を抜けると、視界は急に広がり、遠方には四国、そして大きな島影が複雑に重なりあった瀬戸内海らしい風景が現れるのです。 子供時代、瀬戸大橋の無い時代には、四国に渡るには船を使うしかありませんでした。生まれ育った場所近くの港から出る小さな渡し船もあれば、下津井からの連絡船、フェリーボートも利用したことがります。季節、そして朝、昼、夕焼けの頃、闇に包まれる夜、それぞれの時間帯に見た海の姿、風景。 海水浴、潮干狩りにと渡し船で島に渡ったこともありました。 現在行われている瀬戸内国際芸術祭、遠方からの知り合いに感想を聞いてみると、展示されたアート作品の評価はさておき、船に乗り、島に渡る非日常体験の印象を上げる方が多いように思います。また、ここ岡山に住まわれている方も同じような感想を多く聞きます。 船体験、島体験・・・・・の非日常性 メインとする絵の題材にと選んだのは、ちょうど島で一番高い場所あたりの山頂から本州側、笠岡あたりを眺めた風景としました。外から眺める生活の場。海の色が違うと思えば、広がる海原は順光なのです。
港から国際交流ヴィラに向かう道、海外から来られる方も、この穏やかな海、日差し、島に暮らす方々の生活の姿に何かしらを感じるのかもわかりません。 時が停まり昔と変わらぬままに見える家の並び、路地の姿に、私自身も懐かしく心地よい何かを感じたように思います。
岩を頭に載せたかのような太子堂の姿。要所要所でお参りをしながら、山道を登ると、メインの絵を描いた頂上付近にでました。青い松の色、白い山肌。蒼く霞む遠景です。取材からすでに10年以上が過ぎましたが、今も変わらぬ風景が広がっていることでしょう。
ここで紹介している画像は、作家・紀田順一郎さんとの共著『吉備悠久』(山陽新聞社刊、2006)に収録されたものです。紀田順一郎さんの 白 石 島 (笠岡諸島)記事へは、以下リンクをクリックするとジャンプします。是非、ご覧ください。http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2013/090101/index.html
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