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7/26//2014  材料技法

切箔と竹刀 その1

■ 切箔作成・截金を行うに先立って、箔の強度を上げる合わせ箔を今日作成するのにアイロンを使った手法が簡便であることを先に確認することが出来ました。次に竹刀によるカットを試みましたが、意図通りに行うためには、この竹刀の刃の出来が大きく関係することを知ったのです。今回はこの竹刀制作・刃をつけることについての実験を紹介します。
 
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 竹刀の素材は、篠竹(女竹)と呼ばれているものだそうです。私が暮らす吉備高原、谷合の川沿いに自生していると言うことで、膠作り実験でもお世話になっている川上さんにお願いして採ってきていただきました。

 
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 何時も一緒に面白がっていただく、川上さん!。採ってきた竹を竹刀に加工する作業をすでに実験しておられました。聞けば、床屋さん・・・髪を切るのに大昔、竹が使われた時代があったとのこと。

 竹を刃物、道具に変えるノウハウと聞いて試してくださったのです。
 

 
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 竹を割り、竹刀の形に整形します。

 基本は、刃をつけようと削るのではなく、裂くように割ること。削るとどうしても手の強弱が出、ましてや片刃の刃物を使うことで刃が直線にならなくなってしまうからです。

 
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 画像は刃をつけるべく、薄く裂いているところです。

 乾燥した竹は、より綺麗に避けるとのことですが、今回の生の竹でもとりあえず裂くことが出来ました。

 ※繰り返しになりますが、刃をつけようと削るのではなく、裂くように割ること。削るとどうしても手の強弱が出、ましてや片刃の刃物を使うことで刃が直線にならなくなってしまうのです。

 なぜ直線が大切なのか・・・・箔を切るのに曲がっていては困るというのがひとつ、また刃が波打っていると、当たる箇所の違いが切れた場所、切れなかった場所を作ってしまい、うまく切断出来ないからです。
 

 
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 実験・大葉の葉を試しに切ってみました。堅い葉脈に邪魔されること無く切れ味よく切ることが出来ました。

 試しに作ったこの竹刀、数日後に実際の箔を切ることで試そうとしましたが、乾燥によって曲がってしまい使い物にならなくなっていました。

 というわけで、より安定した竹刀を作る実験を計画・この話は後ほど。

 
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倉敷芸術大学の生徒さんと一緒に切箔実験

アイロンを使って銀箔を4枚焼き合わせました。
現代の箔の厚みもあって、とても頑丈な合わせ箔となりました。
頑丈すぎて切るのも大変です。
一方、手で持って運べる程の強度となりました。

 
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 作った切箔を使った装飾実験

 ベースとしたのは、前回行った揉み紙・砂子を行った紙です。

 短冊状の細長い箔を意図通り置く作業、野毛を整形しながら配置したり、正方形の切箔を置きました。

 小さな正方形で、より量を作れば今度は砂子筒を使って撒くことも可能と説明して今年度の前期は終了です。

 ※、箔バサミの使いこなし、調整についても話しました。

 

※ おまけ実験 安定な竹刀を作る
 

 
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今回の試み、何故、安定な竹刀とならなかったのか。
それは原材料の竹が水分を多く含んだ生の状態だったから。

 というわけで、油抜き、水分抜きを試みることにしました。
まずは、取り回しの良い適当な長さに切り分けます。熱を加える関係上、温まった空気の出口を確保することを忘れずに!!

 
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 ガスの炎を当てて熱します。

 竹の色が変わり、切断面からシューシューと水分が吹き出ます。

 
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出てきた油、水分をタオルで頻繁に拭き取ります。熱いので、火傷に注意しての作業です。

綺麗にむらなく色が変わるようにまんべんなく熱を加えました

 
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節を避けて適当な長さに切り分け、天日干しです。

残った水分を飛ばします。

 
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ナタを使って割ります。片刃の刃物では裂くというよりもどちらかに刃が寄ってしまい竹刀の刃が波打つ可能性が出てしまいます。竹割り用の両刃のものが使いやすいと思われます。

 
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何本か作り、また調整しながら実際に箔を切ってみました。

驚くほどの切れ味を見せる部分もあれば、切った箔がくっついてしまったり・・・
完全に乾いていない(竹を切ってからのここまでの作業、ほんの数時間・・・・)ためにまだ水分、油が出てきているようです。同時に日で炙った箇所、焦げている所には油も多く残っているようでした。

今回の反省から、竹刀を作る手法として

1:採ってきた竹の事前処理としては、釜茹法(水を入れた鍋に適当な長さに切った竹を入れぐつぐつと煮込む)が均一な状態を作り出す上で適当と考えられた(その2として・実験予定)
2:乾燥は時間をかけて行うこと

上記のことに注意して、<切箔と竹刀 その2>をいずれ行いたいと思っています。