茄子図に倣う 岡山県立美術館ワークショップ
ワークショップ開催案内のフライヤーです。水墨と一口に言いますが、その魅力はどんなところにあるのか。紙や筆、そして墨自体、もちろん重要な水の使い方。それぞれに注目しながら、実際に使って描いて試すプログラムです。「運筆」という筆の使い方の基本とははたしてどんな作業を言うのか?など、これまで再発見プログラムの一環として試行してきましたが、今回はとうとうその次の段階、「筆意を知る」となりました。作者の意図を筆の痕跡、画面から読み取って、その読み取った結果を実際に描いて確認してみようという試みです。
左画像は準備した教材それぞれです。上の段左、お手本の原寸大カラーコピー。その下は団扇の形をトリミングするためのマット。小さなコマがたくさんあるA4の紙は、筆を運ぶ順序の例です。本紙としてドーサを引いた薄美濃紙を用意しました。松煙墨を使って描きます。右側上下の画像は、私が実際に描いたもの、下は薄美濃紙に描いたママの状態、そして上は、裏打ちを行い、パネル貼りしたところです。
所蔵美術館ならではのメリット。参加者は研修室を出て本物を間近に鑑賞中です。 ワークショップ中、何度も実物と研修室を行ったり来たり。
一度目の鑑賞は、全体を見ることが目的、二度目の鑑賞は、実際の素材に触れ、技法練習を知ってから行いました。具体的な技術を知ったことにより、見るべき箇所、自分の想定した結果との違いに注目することができるのです。
制作中の参加者の様子です。椅子なんかにはじっと座っていられない!。自然と腰も浮き、集中です。
墨の色、筆を動かす緊張感。和紙は2枚しかありません。一枚目の技術確認、筆を動かす練習、確認の様子です。最後は清書。形を真似ようと試みることはもちろんですが、より重要なのは武蔵が筆をどのように動かそうとしたのか、どんな時間を使って筆を運んだのか、はたして自分の読み取りは正しかったのか?「倣う」ことを通しての「対話」体験。はたして楽しんでいただけたとしたら幸いです。オリジナルの団扇の形でトリミングして終了。裏打ち、飾り方の説明をしてまとめとなりました。話が終わればもう一度本物に会いに!!。
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