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3/10//2015  材料技法

「線で描く・墨で描く」笠岡市立竹喬美術館ワークショップ

■ 「没後60年 菊池契月展」(3月15日まで)が開催されいる笠岡市立竹喬美術館。先日8日、展覧会付帯のワークショップを行って来ました。「巧い」「素晴らしい線」と評価されてきた菊池契月さんの素晴らしい「線」の秘密に迫ってみようという企画です。作品鑑賞・理解への助け、そして日本画という価値の求め方について理解するおりのいくらかでものお役に立つ話になっていたら幸いです。題して「線で描く・墨で描く」。大勢の方々にお集まりいただきました、感謝です。

※菊池契月展・後期展示に変わっています。会期は15日(日)までです。
http://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/topcontents/news/2015/021402/index.html
 
 
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「菊池契月の線」が何故素晴らしいと言われてきたのか?

<菊池契月の線 毛筆で描く「線」の良し悪しについて>をテーマに、かつて日本画を描く技術として重要と言われてきた「線」の秘密を、なんとなくわかったような気分で見るだけではなく、実際の描き手となって考えてみよう、見なおしてみようという試みです。複雑でわかりにくいものならば、理解できる小さな要素に分解、原初の姿を手がかりにしてもう一度考えてみようというアプローチなのです。

先日アップした「線の秘密・水の時間」は、今回お話しするためのまとめでした。
http://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/newcon/news/2015/022301/index.html

 
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画像、動画を使った解説につづいて、体験作業も行われました。

裏打ち仮張りをした9種類の紙素材、表面の違いをそれぞれ実際に自分自身で筆を通じて感じ、利きくらべてみようというという試みです。

「筆」という道具。「やわらかい」ということに意味を見出したこの国の先人たちの追体験。加えて、その柔らかい筆を使いこなすことが「身体」を変化させること。自然との関係、自然を感じ取ること。

 
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こうしたワークショップ等の機会をいただく度に、<どのようにしたらよりわかりやすく伝えることが出来るか?>を考えます。

絵描きの自分としては、「自分が描けるかどうか?」だけでよいのでしょうが、「何が良いのか?」について価値観の共有が無い(無くなってしまう)社会では、筆や和紙、絹、膠など、その価値観を成立させてきた重要な要素の存在が危うくなることをすでに知っているからです。

 
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新しく制作した解説用の画像。
ワークショップに参加された方々なら、何を描いているかわかりますよね。

水の量、その意味。表面張力。沈殿。水干。
重い物、大きい物から沈む。

湖底。水たまり。

  

 
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何故発色が変わるのか?とか、緊張感の違いを生む秘密について解説を試みてみました。

自然の理<>いやらしさ

 
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日本画の重要な技術「片暈し」についての解説。「水筆」の使い方。

砂浜・波。

実際に描かれていらっしゃる方の参加も多かったようです。はたして皆さん満足して帰ってくださったかどうか?また菊池契月作品鑑賞のいくらかでもの助けになったかどうか。お役にたてたとしたら幸いです。

好き嫌いだけではなく、何が良くて、何が悪いのか?。この良し悪しを知ること、伝えようとすることが、歴史のある国、伝統といったものを大切にすることに繋がると思う今日このごろなのです。

※ワークショップの様子画像は、竹喬美術館の徳山学芸員によるものです。