川合玉堂展 アウトリーチ
まずは、墨、紙、筆、素材や道具についての解説から。 小学生を対象とした今回らしい試みとして、墨がどのようにして作られるのか、原料の煤の作り方を、ロウソクを実際に燃やしてお皿につける実演を目の前で行ったり、猪の皮を煮て作った膠の実物を見せたり、触ってもらったりすることで、それらが身近な存在であることを確認してもらいました。 逆に私自身が確認させてもらったこととしては、すでに生徒の持つ硯のほとんどがプラスティック製となっており、現実に墨を摺ったこと、触ったことがないという子供たちがほとんどということでした。 筆を使うこと。書道との関係。筆の持ち方、動かし方。何故そのようにするのか、したほうが良いのか?、そんな話、実際の体験をしてもらいました。はたして記憶に残ったでしょうか・・・・。※内容は、2/23//2015 材料技法 線の秘密・水の時間 の運筆に関する部分を子供バージョンに再構成して行いました。http://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/newcon/news/2015/022301/index.html
片段ボールでの凸凹体験、筆を動かす競争、紙と水、墨の不思議。 筆の持ち方、体の使い方。 筆という道具が、ただ描くだけの存在ではなく、筆を使うことを通して、感じる力、自分自身の体に変化が現れる話。 伝えるのは何か? 昔の人達が意味があると考えたことは何か?
参加は、六年生25名に校長先生、指導の先生。皆さん真剣に聞いて、そして描いてくださいました。この国の文化についての何かしらの出会い、記憶となる体験となっていれば幸いです。 ※使用画像は、奥田元宋・小由女美術館の永井学芸員撮影によるものです。
授業を終え、再び美術館へ。川合玉堂展の後期展示をじっくり拝見しました。 常設展示室では、奥田元宋さんの作品に加えて児玉希望さんの作品もありました。 玉堂の言う日本画の基本としての「運筆」が、安定な記録を目指した当初の基本から展開し、筆という道具を使うこと通して、支持体、描こうとする相手素材の表面をいかに感じることが出来るか?、<必要な>「筆の当たり」をコントロールする事ができるか?と、いった意味まで含めたものであることをあらためて実感することが出来た今回の「玉堂展」となりました。 ・・・・あらためて見る奥田元宋さんの作品、ザラザラとした荒い絵の具の厚塗りの絵肌にも、繊細な「筆の当たり」をコントロールした姿を見るにつけ、一見、全然違う絵肌に見えてその実、川合玉堂、児玉希望、そして奥田元宋と続く師弟関係を感じたのです。この国の文化、何を大切にしてきたのか。私にとっても目を開かれる体験となりました。※同様の内容で大人を対象としたワークショップを!※注意※!岡山県井原市の華鴒大塚美術館!!で行います!!。第2回 6月13日(土)13:30~15:30 紙と墨の表現を楽しもう!【講師】森山 知己<<守りたい、伝えたい日本の伝統、文化、風習【日本文化再発見講座】>>第1回 5月30日(土)14:00~15:30は、紙と墨の魅力を知ろう!【講 話】 「墨と紙と日本の絵画史―その響きあう魅力」講 師:徳島県立近代美術館 企画交流室長 森 芳功 氏 が行われます。お申込み・お問合せ 華鴒大塚美術館 〒715-0024 岡山県井原市高屋町 3-11-5 TEL 0866-67-2225・FAX 0866-67-0200
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