布滝を訪ねてからすでに１２年・・・・。当時、確か苫田郡阿波という地名だったように思います。カーナビゲーションシステムはまだ無く、地図を調べながらの道行でした。緑濃い樹間から黒い石の上を流れ落ちてくる滝は思い出せるのですが、はたしてどのようなコースでこの地まで向かったのか。キャンプ場、ニジマス釣り堀・・・・・。

　断片的な記憶。

　当時の新聞記事、紀田先生の文章を読み返して、加茂町を経由したとの記述から、津山市街を抜けて因美線沿いに北上する県道１１８号線を通ったのだろうと推測するも、すでに忘却の彼方・・・・。

車を停めて滝までの道のり、木立に挟まれた渓流、鬱蒼とした森の中への入口辺り、その岸辺に額紫陽花を見たことを思い出しました。

緑の葉が茂る中、薄水色が際立っていたのです。

布滝をあとにして、近くにあるキャンプ場に立ち寄りました。

右手が谷、渓流を見下ろす道、山を整備するために作られた道、車１台やっと通れる幅、が舗装されていたことを思い出します。ニジマスと書いた看板の記憶。日差し。

樹間に指す日差し、木々のリズム。

カットとして描いた風景、この場所、このシーンは思い出すのですが、本当に断片的な記憶となっていて少々唖然としました。

いろいろなことを忘れていく・・・・。

※ここで紹介している画像は、作家・紀田順一郎さんとの共著『吉備悠久』(山陽新聞社刊、2006)に収録されたものです。以下URLは、紀田順一郎さんの「 布 滝 （津山市）」記事への直リンクです。　是非御覧ください。（URLをクリックすると、紀田順一郎さんのサイト記事が表示されます）
http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2016/080902/index.html