森陶岳の全貌展(瀬戸内市立美術館)、岡本唐貴展(倉敷市立美術館)
没後30年 岡本唐貴展、倉敷市立美術館のコレクション展とのこと。会場に入ってすぐに目につくのはポスターの数々、こみ上げてくる懐かしさ。何処かで目にし、知ってはいるけれど、決して同時代ではなく、大正から昭和初期の熱いエネルギーの発露。今時ならレトロなんて言葉で捉えられるのかもわかりませんが、色合いといい、レタリング、もしくはタイポグラフィー(文字デザインのことです^^、昔は手書きだったのです・・・・果たして今、その作業が実感をもってイメージできる人がどれだけいるか・・・)コンピューター、Illustrator全盛の今、手書き、切り絵、クラシックと呼ばれるような素材との関係がある意味で個性を確認するのに再び見直されるかも・・・ただし、これもあっという間に消費されそうですが・・・。表現と素材、道具なんてことを考えさせられます。倉敷市立美術館の洋画名作選もお隣で同時開催。洋画黎明期から具象から抽象、大きな流れを概観できる展示です。
瀬戸内市立美術館で行われている「森陶岳の全貌展ーあくなき挑戦の軌跡ー」、フライヤーに書かれている通り、本当に岡山初公開作品多数、代表作を一挙網羅でした。 昨年、長85mの大窯を焚いたことで、関連する展覧会も開かれましたが、そうしたところでは見ることができなかった作品が並んでいます。より太古の時代からの継承、地域、土地と密接な関係をより感じる造形。今という時代だからこそ、そのシンプルさが際立つように思いました。昭和44年〜46年頃の発表作の興味深いこと、そして左リーフレットの画像は昭和50年発表とのこと。大窯、大瓶のみだけではなく、ずっと変わらず、森陶岳さんが土、形、炎と向き合い挑戦されてきたことが作品から伝わってくる展覧会でした。古の記憶のエネルギー。素晴らしい図録も作られています。
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