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12/25//2016  材料技法

津山・横野和紙 上田手漉和紙工場

■ 津山の市街地を北上、横野地区で手漉き和紙を生産されている上田繁男さんを訪ねました。横野和紙と聞いてピンとこない方でも、少しでも伝統文化、和紙に興味のある方なら三椏を原料とした箔合紙はご存知かと思います。箔と箔の間に挟み、箔どうしがくっついてしまわないようにしたり、また薄い箔自体を保護したり、挟まれたこの箔合紙を加工して「あかしがみ」を作り箔押しを精度良く行う支援など、縁付と呼ばれる箔では、無くてはならない存在です。
 
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横野和紙・上田手漉和紙工場。天神山文化プラザの福田学芸員と訪ねました。

来年の企画事業に関連しての調査です。

 
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お相手くださった、上田繁男さんです。

箱から出して見せてくださっているのは上田さんが漉かれた和紙を加工して作られた「箔合紙」です。何年か前にお目にかかったおり、上田さん以外にもまだ何件か箔合紙を漉いているところがあるとの話でしたが、今回お話を伺ったところによると、とうとう最後の1軒になったとのことでした。ただし流通在庫があるので、今、箔に挟まれ出回っているもの全てが上田さんのものかというとまだとのことでした。
 
 箔合紙となる和紙の原料は三椏100%とのこと。こちらで漉かれた後、金沢で加工され、箔合紙となるそうです。
 ちなみに「あぶらとり紙」として売られているのは、箔打紙(兵庫県 名塩和紙 雁皮に土を加えて漉く和紙を原料にし、卵や柿渋などを塗り加工して作ります)がその用途(箔打ち、箔を薄く伸ばす役目)を終わり、その後の使いみちとして「あぶらとり紙」となるのだとのこと。ただし本当に箔打ちに使用されたものは高価で、現在安価に流通しているものは、その用途として新たに作られたものだとのことでした。

 
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年季の入った工房の様子。ちょうど水切りの工程を行っていたところでした。

 
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原料処理途中の三椏を触らせてもらいました。とても細く・柔らかく印象的な触り心地でした。

 
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工場前の川、綺麗な水、ここで原料加工、晒す工程を行っています。

工場入口には三椏の木、二種類あり、中国産のものと国産のものだとか。香り、成長の速度、大きさも違うそうです。

たくさんのお話を聞くことが出来ました。
ありがとうございました。