第11回文化財保存修復学研究科修了展
修了生徒は、木口さんと茂筑さんです。以前、ここ吉備高原で行った<岡山の膠作りワークショップ>にも参加してくださっていた二人です。 画像は、木口さんの研究発表である狩野友信の「雛之図」。保存修理を行うとともに画家の研究を行ったとのこと。
展示が始まっているというのに、!掃除機を片付け忘れた? 左上端に見えている掃除機のような機械は、パイプで隣のテーブルのような台につながっています。サクションテーブルといって、表面の空気を吸引して修理中の作品をこのテーブルに密着させます。
上記の画像の一部を大きくしました。右上に置かれた絵は、木口さん本人がおそらく狩野友信(江戸狩野最後の奥絵師と言われる絵師なのだとか)はこのようにして「雛之図」を描いたのではないかと再現模写を行ったものです。絹に描かれています。 上部の色が少し違うのは、裏打ちにもし色のついた染め紙をしたらどうなるかというのを参考になるよう展示したものです。
こちらは茂筑さんの船田玉樹作、「対岸」の保存と修理についての研究です。何年か前、大規模な船田玉樹展が東京、広島で開かれたことはまだ記憶に新しい話です。 戦後の日本画の変化、現在に至る間に日本画は多様な表現を獲得してきました。使用材料の変化、またその使用方法の変化、既存の保存修復手法だけでは対応出来ないことも増えてきたのです。
新しい画材、描法を実際に試すことで、新しい修理方針、方法の研究を行っています。 絵の具の展示、描法研究のテストピースの展示もありました。
会場となった高梁市 旧備中松山藩御茶屋(水車)です。 文字通り水車が目に入ります。高梁駅の方から吉備国際大学に向かって川沿いに道を上り、ちょうど吉備国際大学への坂道に曲がる当たり、橋が架かっていますが、大学の反対側の岸辺あたりにこの建物はあります。駐車場も4台程度なら停まる場所がありました。
文字通り、コンパクトながら良い感じの茶室もありました。 第11回 特別な修了展です。二人は、吉備国際大学文化財保存修復研究科の最後の修了生なのです。 二人の生徒との縁ももちろんですが、指導に当たられた馬場先生、棚橋さん、尾形光琳の紅白梅図屏風描法研究では、とても楽しい時間をご一緒させていただきました。何度もおじゃました文化財総合研究センター、先生方はもちろんですが、すでに卒業していった生徒たちも思い出されます。※(画像は特別に許可をいただいて撮影・掲載させてもらいました)
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