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5/27//2018  材料技法

「美人画で見つける日本画の話」+ワークショップ

■ 5月20日(日曜日)高松市美術館開館30周年記念特別展
「京都市美術館名品展 京の美人画100年の系譜」展に付帯のワークショップと講演会を行いました。
ワークショップ:「絵肌の秘密(胡粉)」 9:00-12:00
講演会    :「美人画で見つける日本画の話」13:30-15:00
 

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 「京の美人画100年の系譜」展付帯のワークショップと講演会の依頼に、いろいろと考えることになりました。
 私は大学修了前後こそ人物画を描いていましたが、その後は風景であったり花鳥などを描いてきました。美人画どころか人物画も専門家とはとても言えません。
 担当の学芸員の方とお話するうち、この美人画の中に「日本画」、私の思うこの国の古典的な絵画になんらかの共通するような特徴を見つけることをテーマとしたのです。

 同じ画題を描いた絵画の比較、西洋と東洋、加えて京都という地域について。線、絵肌、絵の具の塗り方。

 当たり前のように手の痕跡を残さないようななめらかなあの画面の秘密はなにか。どのようにしてあのような線の調子や絵肌が実現されるのか。もちろん、時を越えてそこに美意識としての価値を見出していたから多くがそのようにしたのです。

 胡粉の解き方と墨の製法の類似性、和膠の働き、「静かな沈殿」によるなめらかな画面の表出。ここのところいろいろなところでお話、紹介する内容になりました。

 参加してくださった皆さん、はたして興味深く思ってくださったかどうか。また楽しんでいただけていたら幸いです。

 高松市立美術館、立派な施設、展示でした。