「つらがまえ 顔を描く!」日本画ワークショップ
一度見れば、誰が見ても片岡球子さんの作とわかるライフワーク「面構」シリーズ。誰も片岡球子さんの表現に近づくことは難しいでしょう。強い独自の何かを感じます。エネルギー、強い意思の存在・・・。はたしてこれらを何が見る我々に感じさせるのか。人物を形作る「線」の力に注目しました。どのようにしたら片岡球子さんに倣う事ができるかを考え、単純な模写ではなく、描く自ら(参加者)の意思を導き出す工夫をしたのです。ワークショップに参加された方々、はたして何かしらに出会えていたら幸いです。
参考にしたのは、以前にもこのサイトで紹介したことのある「土佐家の肖像粉本 像と影 榊原吉郎 松尾芳樹」京都書院アーツコレクション88です。「粉本」についての考え方、絵の学び方、伝統の継承についてなど、示唆深い言葉の詰まった素晴らしい研究です。是非、本書を手に入れてご参照ください。今回、せっかくの機会ということで、片岡球子さん作中に現れる人物から粉本の要素となるものを作りました。また肖像画貼としても使用しています。描くことを試みるのは、「この場にいない人」「思い出の人」「偉い人」です。
加えて、日本画の「線」について。「線」を描くことの基本、運筆についても少しだけ・・・・。具絵の具を使用して試みました。
「思い出の人」に姿を与えること。ゆっくりと筆を動かすことで生まれるエネルギー、緊張感。今回のワークショップで「日本画」のもつ美意識の一つに触れられたとしたら幸いです。
今日の成果!。たくさんの顔が出来上がりました。はたして皆さんにどのように見えることでしょう。少なくとも描かれた方々は、「顔」が持っている力、「線」の力についての何らかの実感を感じてくださったことと思います(感じてくださっていたら嬉しです^^;)。さて、今日のワークショップ体験、本画における見どころを確認することになったことと思います。はたして素晴らしい鑑賞体験につながれば幸いです。参加された皆さん、お疲れ様でした。※片岡球子展は11月4日まで。※それぞれの画像はクリックすると少し大きく表示することが出来ます。
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