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3/24//2019  材料技法

「江戸の奇跡・明治の輝き」ワークショップ告知・展覧会感想

■ 岡山県立美術館で絶賛開催中の「江戸の奇跡・明治の輝き」展、関連事業として行われるワークショップの講師を努めます。またこのワークショップは、これまで行ってきた岡山県美「この国の価値観の発見」をテーマに行うワークショップの第6弾でもあります。

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日時:2019年4月13日(土曜日) 10時から12時
※要申し込み(岡山県立美術館)
定員20名・先着順

申込み方法他、詳細については、
岡山県立美術館 ホームページ
イベント
ワークショップ
を参照ください

 
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岡山県立美術館で行ってきたワークショップの数々、いろいろテーマをとりあげました。この国の文化で良いとされてきたこと、価値観を使う道具や材料を手がかりにして試してみたり、またそれらの使い方、技法を手がかりにしてみたり。
なんと今回はこのシリーズ企画の第6弾となるのだとか(ホームページの告知で再確認!しました)

今回の出会いを楽しんでいただけるよう現在、鋭意準備中です。

 
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※「江戸の奇跡・明治の輝き」展の感想
このサイトで展覧会紹介を行ったときは、まだ開催前でした。実際に展覧会を見ての感想、私なりの見どころ紹介など。

まずはその量!に圧倒されます。よくぞこれだけ集め、展示したと誰もが納得するボリュームがあります。また日本絵画の200年と銘打たれている通り、時代もならば様式も様々な作品がこれでもか!と並んでいます。

出品目録に記載された最後は185番。確かに前後期の展示替えも含めての数にしろ、かなりの数が一度に見られます。二階、そして地階、岡山県立美術館、展示室のほとんど(地階最後の展示室に岡山ゆかりの作家の洋画を紹介しています)を使用しての大規模な展覧会です。

話題の若冲、蕭白、芦雪も見せてくれています。応挙も良かったですし、与謝蕪村の「富獄列松図」は印象に残りました。またこの展示順序で見ていくと池大雅、浦上玉堂の違いがまた興味深く、田能村竹田の「暗香疎影図」の色合いの爽やかさといったものも印象に残りました。
76.77鮎図、群鯉図額も興味深く拝見、司馬江漢、谷文晁他の西洋の受容。
酒井抱一の「青楓朱楓図屏風」、日本画画材、朱や緑青、群青に金!、色を本当に楽しめます。本物の色、質感、印刷物との違いをじっくり見る機会です。

鈴木其一の「業平東下り図」の描表装、富士に用いられている群青の色!!草花図屏風もですが、使っている絵の具がとても良いものと実感しました。
以前、このサイトでも紹介したことのある沖一峨作品も出品されています。続く柴田是真も!このあたりの展示コーナー、じっくり見たい、近寄ってみたい!!ところです。

そして白隠!、北斎、狩野、二階展示の最後は冷泉為恭の屏風でした。群青のなめらかなこと。

地階は明治。狩野芳崖の墨作品、墨付きも見える展示です。橋本雅邦、上手い!。小堀鞆音の「武士」、横山大観の滝「瀑布四題」、菱田春草の「水鏡」!。大学時代に見ていた記憶が蘇りました、あのころ見えなかったことの多さを実感しました。
木村武山の屏風、今村紫紅の「近江八景」、靫彦、青邨、そして桜谷、溪仙、竹内栖鳳「獅子図」「アレ夕立に」も展示、最後は入江波光さんの「振袖火事」!。
そうそう、岡山林原美術館所蔵の橋本関雪「寒山拾得図」屏風が良かった!。赤松のみずみずしい描写でした(図録との違いをすごく感じるでしょう)。

270ページを超える図録も立派!まさに日本絵画200年です。
ちなみに今話題の若冲、奇想の画家達ではありますが、こうして時代の変化、大きな流れを実作で概観させてくれる企画はとても貴重に思います。ともすると頭でっかち、局所的な見方をしてしまいがちなところに俯瞰する視線はいつも必要な気がするのです。

というわけで、この展覧会が今!ここ岡山で行われているありがたさを感じます。きっとこれが東京であればじっくりと見ることもかなわない混雑が・・・・。岡山の地、岡山県立美術館で開催の貴重さです。是非、ご覧いただければ、今どきの単一の作家のみを取り上げた、もしくはテーマをより絞った展覧会とは違うなにかに出会える展覧会です。是非ともと、おすすめする展覧会です。