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3/21//2020  材料技法

鏡の松制作 その5

■ 描き込み、上塗りの工程
 
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藤黄(ガンボージ)と棒藍を溶いて、塗る箇所ごとに比率を変えて混ぜ草の汁(多様な緑色)を作ります。

部分的に堀塗り(基本となる線を塗らずに残す)を行い葉の形を表すことと色を両立させます。
 
下塗りの胡粉、緑青に、描き込み(描写)が加わることで実物の実感といったものが現れてきます。

 
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水墨画は写真のネガと似ていると言われたりします。
自分にとって近い存在ほど明度が暗い、もしくは強いコントラストが見られるというのです。

藍を増やせば暗くなります。またガンボージも濃度を上げると明度は下がり、また彩度も下がります。

このあたりを注意しながら描き進めます。

 
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竹の節、規則正しい円筒形ではない表情と言ったものを描きこみで加えています。

また葉についても、現実では裏葉がみえたり、形が崩れ、葉らしく見えないものもありますが、基本、表面が見えており、葉の形が容易に想像できるように描きます。

桜の樹を描く折、正面向きの花を多く描くのと同じ意図です。
 

 
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岩絵の具、粒子のある程度荒い絵の具を使って上塗りを行います。

ここでは、絵の具を焼いて同じ絵の具(粒子の大きさ)を色相の異なる絵の具3種類として用います。

厚塗りにならないように、塗る粒子の粗密を使って透明感とします。

 
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同じ粒子の大きさながら三色の絵の具として使い、その折々に混色することで緑に多様性をもたせます。

連筆を使い、竹の直線的な表現を均質な面として塗ったり、その工程で葉が重なった部分については、同じように一度直線的に塗り、あとで水のみを付けた筆によって葉の部分についた絵の具を拭い取るといった作業を手早く行います。

 
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作業が重なり、実感といったものが徐々に出てきました。

第一段階の岩絵の具による上塗りの終了

部分的に絵の具が取れすぎてしまった箇所や竹の枝?といった細い部分に描き込みを再度行います。

上塗りの継続と仕上げが次の工程となります。