新見美術館「神代和紙に万葉を描く」ワークショップ準備
美術館に用意していただいた新見ご当地の「神代和紙」。天神山文化プラザの企画「表装」展でも使用させていただきました。画像は、ドーサ引き作業の様子です。生紙にドーサ液を引き、滲みどめ(同時に安定な絵の具の定着のため)の処理をしています。
ドーサ液が完全に乾いてから、それぞれ半分に切り、胡粉に染料や水干絵の具を混ぜてグラデーション、背景となる色を塗りました。
塗り分けた和紙を短冊に貼るための大きさに切り分けました。右下にあるのは、生紙にドーサを引いただけのものです。下にあるのは残った切り落としです。
画仙短冊の幅広を台紙として用います。まずは短冊の裏側に水を塗って湿らせます。表面に糊を付けた神代和紙をそのまま貼ってしまうと、乾燥にともなうその張力によって曲がってしまうのを打ち消すためです。
グラデーション、色を塗り分けた神代和紙、切り分けたものの裏側に生麩糊を薄めたものを塗っています。奥側にあるのは先程裏側に水を塗った画仙短冊です。
裏に水を塗った短冊、乾かない間に、裏返して表面に先程、裏に糊をつけた色付き神代和紙を張り込みます。画像は新聞紙をあて紙にして密着、圧力を加え押さえている様子です。
100枚!貼り合わせました。ワークショップで使っていただくのは、残念ながら一人一枚です。絵柄、背景を選択してもらい、これに絵を描いていただきます。白い板の上に乗っているのは余分な部分を切り取った完成短冊です。これも100枚同じ作業を繰り返しました。
出来上がったバリエーションです。どのように料理、どんな絵を描くかは参加者の皆さん次第です。
百枚より少し少ない・・・・・
ワークショップは数回行われる予定とか。最初の一回目を担当します。またこの一回目は約3時間制作時間があるとのことですから、少し凝った事もできそうです。サンプルを作成しました。まずはどんな背景を選ぶのか?次に月や太陽をどの場所に、どんな向きで、またどんな大きさでと考えるだけでも季節と言ったものを表現できそうです。これに加えて雲とか山、海を加えても良いでしょう。花を描くとなると、乾燥を待つ時間も必要です。2工程、3工程、花芯、シベなど加えるとぐっと良くなると思います。もちろん、こちらも何かと組み合わせも可能です。形が描けない・・・・型紙も用意する予定。描ける方はそれなりに、初心者の方も「万葉」に触れるワークショップになれば幸いです。ちなみに、「吉備胡粉」も持参予定です。10月11日の実施後、ワークショップの様子をこの記事に加える予定です。
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< 令和を想う 現代日本画家が描く万葉のこころ 展 >付帯です。万葉、歌を詠むから発想して短冊に絵を描くワークショップとしました。限られた時間です。いかに参加者の方々に楽しんでいただけるか?その準備の様子を紹介します。(ワークショップ後、この記事にその様子を追加する予定です。)