絵を描くことに使うことのできる筆・刷毛の種類は、とにかくたくさんあります。経験を重ねるにつれて、自ずと自分にあった目的・必要に応じたそれぞれを選び出し、使用するようになると思いますが、今回の講座では、基本を学ぶプロセスそれぞれの段階で使うと思われる代表的なものを選びました。すでに経験を積まれている方もいらっしゃると思いますが、筆や刷毛が目的に応じて改良され発展してきたことを知る機会になればと思います。
すでにお持ちの道具をお使いになってもかまいません。
8.面相筆 線を描きます。絵の具を塗り分ける境になる線、形を表す線、「骨描き」を行います。
選択のための一例をあげると、白玉面相は玉という字からわかるとおり、猫の毛が主原料だそうです。左画像のものはイタチの毛から作られています。線を描くときの墨の含み、持ち具合、曲線、直線を自由に引けるかどうかなど、毛の質、毛の長さが関わります。
※線を引く筆の基本は柔らかい毛のもの。上達するにつれ柔らかい毛を使いこなして自由な線を描けるようになりますが、初心者のうちは堅い、腰のある毛の筆を使うと描くのが楽かもわかりません。
9.即妙筆 線を描いたり、色を塗ったり、暈かしたりする際に使います。線を描くのにも色を塗るのにも使える基本形のような筆です。柔らかい毛の感覚、含ませる水分量がつかめると片暈かしなどの技法が巧くいくようになるでしょう。
10.平筆 筆をそのまま引いて使ったり、90度回して使って見たり、調子をつけるのに使います。
11.刷毛 いわゆる「絵の具刷毛」です。大きな面積を塗るのに使います。毛の持っている腰をどのように使うかが勘所になります。画像のものは、質のよい羊毛を使っています。より腰を求める絵の具、金泥など用に夏毛の刷毛もあります。
※、精度のよい仕事のためには、良い毛を使った造りのよい刷毛、筆を選ぶことが基本になります。ただし、価格もそれに準じますので、予算の許す範囲で、なるべく良い物を選んでください。
※ ドーサ刷毛について 今回は、講座共用のものを用意します。各自が揃える場合は、ドーサを塗る刷毛を絵の具用と共用すると、絵の具のおりが非常に悪くなります。それ専用の刷毛を確保してください。
※この他、連筆(片歯、平など)暈かし、空刷毛、筆も彩色、削用、付立筆、面相もいろいろ選ぶことができます。
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