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5/6//2023  材料技法

「日本の色」森山知己個展2023年5月

■ 2023年5月17日(水)から23日(火)まで岡山天満屋5階美術画廊・美術ギャラリーで「日本の色」と題して個展を開きます。岡山天満屋で通算9度目の個展、5年ぶりの開催となります。出品作の紹介他。
 
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岡山天満屋さんが作成している「美術催事のご案内2023年5月号」の表紙にはこの「松図」が使われています。上記画像は私の個展出品作紹介のページP6、P7です。

 
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今回会場に展示する最大の作品、六曲一隻屏風「倣日山水図」、大阪 天野山金剛寺の所蔵する有名な国宝「日月四季山水図」の右隻に倣って描きました。かねてより私が憧れてきた絵画です。2020年8月、コロナ禍ではありましたが、縁あって天野山金剛寺の国宝「日月四季山水図屏風」を実見させていただく機会をいただきました。そのおり、気づいたこと、初めて出会った技術的なことなど実際に試して描いた作品です。参考作品として出品します。有名絵画です。未熟、至らぬところばかりかとは思いますが、会場でご意見、ご感想などいただけると嬉しいと思っております。

制作の様子などについては、本ホームページ記事を参照ください。
「倣日山水図制作」10/23//2022  材料技法
https://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/newcon/news/2022/102301/index.html

 

 
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「松図」P50号 2020年10月山陽放送の新社屋RSKイノベイティブ・メディアセンター内の「能楽堂ホール tenjin9」のこけらおとし公演がありました。この能楽堂ホールの鏡の松、若竹を制作させていただいたこともあり、今回は支持体を和紙に変えて描きました。檜の板に描くのとは違った装飾性を考えて表現しています。
参考:能楽堂ホール tenjin9  こけらおとし 10/12//2020  材料技法
https://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/newcon/news/2020/101202/index.html
 

 
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「杜若」F20号 個人的に作成したDM葉書にこの画像部分を用いました。葉書では意図的に余白となる空間を狭くして西洋的な構図にしています。絹本表金箔下地、装飾的な表現を試みました。広い余白の楽しみ、実物を見ていただけると幸いです。
 

 
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「朝顔」20号変形 絹本金表箔下地 江戸琳派、鈴木其一の朝顔のような表現を試してみたいと描きました。今回は出品しませんが下地をプラチナ箔にして描いた作品もあります。(図録には掲載)

先に紹介した、杜若も銀箔下地のもの、また硫化による流水を加えた作品なども制作しました。

 
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檜の板に描いた経験を生かして、いくつか松を装飾的に描いた作品を制作しました。

緑青の粒子によるレイヤー構造、また群青による暗部の表現など、楽しんで制作しました。

 
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「殿様蛙」サムホール 小さな作品です。尾形光琳作国宝の「紅白梅図屏風」、流水はもしかしたらこのようにして描いたのではないかと試したのも10年以上前の話になりました。流水の表現に銀の硫化を使った作品です。

この他、「家守」や硫黄の気化、文字通り燻して出したブラウンの流水に雨蛙を描いたものなども制作しました。(図録掲載)

 
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「紅白梅」P10号 シンプルな構成、絹本金地の作品です。

支持体としての和紙、楮、雁皮、絹の違い、また木材、それに金箔や銀箔を貼っての装飾表現。

図録掲載が無いものも含め、小品となりますが、花卉草木、いろいろと描きました。

 
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「桜」P50号変形 絹本 絹に描くこと、暈し、柔らかい発色など、琳派の装飾性とはまた違ったアプローチ、この国の価値観を探す試みの一つです。

この他、紙本で同様に柔らかさを求めた「醍醐桜」なども描いています。
 

 
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「光る海」大学のある大平山からの眺めを絵にしました。水島の工業地帯越しに瀬戸内海、四国を見ています。左端にはほんの少しですが瀬戸大橋のシルエットも。

 
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「日本の色」と題して図録を少数ながら作成しています。

会期中、木曜日の午前を除いてほぼ毎日会場にいる予定です。ご高覧いただけましたら幸いです。

作品の一部ではありますが、個展紹介まで。
 

 
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もちろん、「水の記憶」シリーズも30号大のものから3号サイズまで、会場スペースに合わせて展示予定です。

図録には昨年制作した六曲一双の水の記憶屏風も収録しています。(今回、会場には展示しません)

同様に、現在取り組んでいる吉備中央町円城、本宮山円城寺 阿弥陀堂の天井画を屏風仕立てにした「花卉草木格天井屏風」も今回展示はいたしませんが図録に収録しています。
この5年間に取り組んだ大作作品、いくつかの展覧会に出品しています。ここ5年間の記録として図録収録しています。