DRAKE R-4A | ||||||||||||||||||||||||||||
ノービス・ライセンス用の送信機 Drake 2-NT と、ツー・ショットとなる同世代の受信機を探していました 本来は、2-C と言う受信機が、当時ペアとして用意されていた受信機です(入門用「2」シリーズ) が、ちょっと上を意識・・・将来は上級を目指そうという方は、もしかしたら先を見て?ということで、上位の「4」シリーズを入手しました 2-C・・・中古市場ではものが少ない=割高、それに見合う内容は?というコスパ意識も、私のどこかにあるのかも!? |
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R-4A 1965年の発売 DRAKE 4ラインとして名を馳せた、受信機のひとつです その前に、R-4という製品がありましたが、2-NTと同じ時代と言うことでR-4A後期モデル(66年発売)としました R-4Aですが、発売から約1年後にマイナー・チェンジがあったようで、65年11月と66年10月では、例えば使用している真空管の数も2本異なります このもののシリアルは、6000番台で、同型後期のものです 真空管の利用は11本で、初期型の13本より2本少なく、それだけ半導体化が進んでいます R-4A初期モデルの13球というのは、R-4と同じ陣容です 後期のR-4Aは、むしろR-4Bに近い内容です(R-4Bでは、PTOにFETの採用がなされていますが、R-4Aでは全てバイポーラ・トランジスタです) メイン・ノブもR-4Bと同じデザインのものが採用されています 余談ですが、R-4BではVFO(DRAKEの表現ではPTO)のたすき掛け運用が取り入れられ(先進的!)、そのためにどのVFOが稼働しているのかをランプ点灯で一見して分かる仕組みが取り入れられました R-4A/T-4Xの時代には、この「たすき掛け機能」はありません この新機能以外の受信機としての基本動作は、このR-4A後期型とR-4Bでは、ほぼ同一ということになります(細かくはR-4Bでは、マーカー発信部が半導体化された、AF回路の半導体の使われ方が変わった、定電圧放電管が省略された、などがあります) R-4Bに続き、R-4Cが発売され、これが DRAKE 4ライン の最後となりました |
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いつものように?分解・清掃からスタート アルコールと、いわゆる住宅/家具用の洗浄剤を使います 状況によってはコンパウンドや仕上げに電化製品用のクリーナーの出番もあります なにせ50年選手ですから、それなりに錆など劣化が見られますし、清掃の限界があります 割れて修復してあったツマミは、手持ちのものに交換しました 不足のケースの止めビスも、手持ちのもので対応しました |
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フロントパネルを外し、清掃中の場面です つい、メインダイヤルの赤のカーソル部分をアルコールで拭いてしまって一部を消してしまいました これはまずいと、端切れの赤カッティングシートを巾狭く切って、上から貼って誤魔化しました!? ダイヤル/メーターの青がかった照明は、青のフィルムを使っているのですが、白熱ランプの点灯で色落ちしています 青色LEDを試してみましょう(後述) あるはずのダイアル・カーソルの押さえ金具(ポチのところに取り付く)が欠品していたので、ナイロン製の薄い板を加工して代用しました(これがないとカーソル板がガタガタします) |
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50年という歳月を越え、年代を感じる錆やら汚れが目に付きます 少々の掃除では輝きを取り戻すまでは至りません バンド水晶は、AUX 10バンドの内、5バンドが装着してありました 標準の5バンドの加え、1.5〜2.0MHz 9.5〜10.0MHz 28MHz帯フルカバーのための3バンドの(標準装備は、28.5〜29.0MHzのみ)合計5バンドが追加されています 電源トランスとバンド水晶の間にあるBOXは、パス・バンド・チューニング部が収納されているものです |
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4ラインの特徴のひとつである、RF部の同調機構 可変μ方式です(俗に言われるギロチン) Collinsあるいは、国産では後に発売されたFT-101が採用している方式です HF帯どこででも同調/運用が可能・・・を目指したもの、そして送信機に於いては、中和バランスが崩れない方式ということでの採用かと思われます 余談ながら、同じDRAKE4シリーズでも、トランシーバ/TR-4のRF同調回路は、一般的なVCを使ったもので、μ同調機構は採用されていません あくまでアマチュア無線用・・・なのでしょう 手前に少し見えているシールド部は、PTO・・・やはり可変μ方式を採用したVFO部です 間の小さいシールド部は、50KHz IFノッチ部で、その奥にシャフトで繋がっている先は、パス・バンド・チューニング部です |
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照明ランプのLED化 この受信機では、単純には出来ません 理由は、真空管ヒーター電圧12.6Vと6.3Vの混在の中で、印加電圧は12.6V・・・3本の6.3V管の利用に関して、この照明ランプ2本で0.3Aの消費と言うことが計算に含まれています そこで0.3A分を固定抵抗で消費してもらい、表示LEDについては、中間の6.3Vを半波整流した約8Vの電圧を得ることで対応しました 写真は、実験中の様子です メーター照明ランプのところで小細工しています 7Wセメント抵抗と平滑コンデンサが良く見えます 今回の例では、LED化は省エネには繋がりません |
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光源は、高輝度青色LEDに光拡散キャップを掛けたもので対応しました それらしい点灯状態が得られました LEDは、どうしても光源がはっきりして広範囲をぼやっと照らすのは苦手です 調整も終わり、7.2MHzで40μVのSSG信号で、S9にメーター表示を合わせたところです 今回のギアは、決定的な問題は持ち合わせていませんでしたが、RFトラッキング調整がちょっと大変でした トリマ類は全てタイト・・・セラミックでなかった分、50年のそれも湿気の多いと思われる期間を経ても、何とか新品時のスペックを得ることが出来たようです 今回、パス・バンド・チューニング部は、手を付けませんでした |
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2017.10 JA4FUQ |
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