YAESU FT-501 | |||||||
こちらは、1974年に発売された 八重洲無線 最初のディジタル表示採用機です 1Wあたりおいくら?みたいなパワー競争(金額をパワーで割ったパフォーマンス競争)もあった頃で、終段は6KD6パラ 560WPEPと表現されたモデルです FT-DX400の流れと同じです(こちらのUSモデルは、ずばりFT-DX560でした) 本機ですが、発売当時、¥169,000だったと思います 構成 プリミックス方式を採用 IF:9MHzのシングルコンバージョンです 5MHz台のVFOと組み合わせて、3.5/14MHz帯に関しては、バンド・クリスタルを省略しています またRF部分は真空管を採用、まだ真空管のほうが半導体より優位と思われていた部分が残るハイブリッド設計ということでしょう MIX−ドライバ−終段、そして送受共有のプリMIX部 受信も、RFアンプとMIXは、真空管の採用です(計7本) これらの内容は、1970年に発売された フロンティアエレクトリック DIGITAL500 と類似しています ここまでのYAESU製品とは趣が違いますので、もしかしたらフロンティアエレクトリックからエンジニアが招かれたのかもしれません(参考ページ:CQ-210) キャリアひとつで、USB/LSBをフィルターで切り替える方式を採用、周波数読み取り(カーソル)は1本です CWフィルタと28MHz帯に関して、28.5〜29.0MHz以外の残り3バンドはオプションですが、入手した本機は実装してありました(フルオプション状態) FT-501Sという10W機の用意もありました こちらは、終段:6JS6C 1本です ということは、6JS6Cパラに改造しても、出力100Wまで・・・・ FP-501Sも、オプションとなっている高圧整流回路を組み込んでも、得られるのは600V ということで、FT-501S+FP-501Sでは、改造してもFT-501にはならないということになります
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リアパネル 極めてシンプルです リニアアンプや、外部VFO等の接続用に端子が用意されています このシリーズの外部VFOは見たことがありません・・・多分ですが、FT-200用に準備されたFV-200が流用できたと思われます(同じ周波数関係) |
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シャーシ上面 MT管5本が見えます これに終段管2本が加わり、計7本の真空管が採用されています |
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シャーシ上面 表示不良修理のため、ディジタル・カウンタユニットを取り外した状態てす |
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ディジタル・カウンタユニットを取り外した状態で、フロントパネルを正面に写しています | ||
ディジタル・カウンタユニットを取り外した状態で、リアパネルを正面に写しています リアパネル上部には、VOX関係と、終段バイアス調整のVRが取り付いています ケース上蓋を開ければ簡単に調整できる位置です ユニットは、左に見える縦に取り付いた2枚です |
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シャーシ底面です シングルコンバージョンのせいもあるのでしょう、シールド板の採用は最小に見えます |
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取り出したディジタル・カウンタユニット NEC製の蛍光表示管6本が採用されています ドライバICも専用のもの このあたりが壊れると修理不能に・・・部品入手できません |
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取り出したディジタル・カウンタユニット ここから修理開始です 10MHz台の表示は、非表示、「1」「2」の表示だけですから、ドライバICの世話にはなっていません カウントするのは、VFOの周波数のみ、右端にその入力のRCAレセプタクルが見えます |
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正面がIF部 元々オプションのCWフィルタが装着されています (一番下) |
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上写真の IF基板の手前側にも基板があります 外したIFユニット側から中を見た様子です 送信マイクアンプ、VOX、CWサイドトーン、受信AF、9V定電圧電源、マーカーなどが1枚の基板の上にまとめられています 100KHzクリスタルの頭が見えています その上が、受信AFアンプ(日立 HA1306)です 上のIF基板と、この基板を取り外して、いわば見込み修理です 動作させたままでは、上手くテストできません |
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ケースに入った状態で上蓋を開けると、こんな景色となります | ||
外部専用電源 FP−501 の背面です | ||
やはり経年変化に伴う問題 SW類の接触不良、VRのガリなど生じることは仕方ありません 今回一番目につくトラブル2点 1.デジタル表示の10MHz台が、常に「1」が表示されること 2.受信が変・・・Sメータが振り切って何も受信できなかったり、時にSメータが正常になって受信できたりすること 1.は、表示制御部にTr不良を見つけ交換することで解決 2.は、RF-AGC制御Trに異常がありました 今回見つけたTrの異常は、すべて2SA628Aで、同じような壊れ方をしていました AGC回路の2SC711Dも不安定な動きがありましたので交換しました 必要な感度が取れた結果、今度は100KHzマーカー信号が弱い・・・??? あとAGC Slowが効いていない・・・1μFコンデンサの容量抜けか絶縁不良が想像されます マーカー信号が弱い件は、BUFFの2SK34がNGでした J-FETは、J-310位しか手持ちがなく、このものと交換 28MHz帯でもS8程度のマーカー信号強度が得られました(交換前は、全く聞こえなかった!) 9.000MHzキャリアの周波数を合わせ、平衡変調のバランスを取り、最後に、VFO周波数をきちんと合わせました |
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参考スペック 14.100MHzと、21.200MHzにて実測 受信:S/N10dbが得られる信号入力 0.2μV おおよそ40dbμVで「S9」に調整しました 送信:CWで送信、フルスケール200Wの終端型パワー計の針が、簡単に振り切れました |
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なんとか現役に耐えるところまで来ることが出来ました あまり多くが市場に出ていないモデルのように思います FT-101系に人気が集まっていたせいかもしれません どうも日本国内ではシンプルな設計のものは意外と人気が出ない・・・そんな風潮を感じます |
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