R.L.DRAKE TR-4シリーズ トランシーバー | |||
TR-4に続いて、下段に TR-4C をご紹介 | |||
左はコンソール/VFO RV−4 本体上は、モバイル・コンソール MC−4です |
|||
ドレーク社の歴史は、TR−7のページにご紹介していますので、ここでは割愛させていただきます このTR−4(4シリーズ:1965年の発売)の前に、TR−3(1963年発売)と言うトランシーバがあり、きっとこのものが一番古い(最初の)ドレーク社のHFトランシーバーかと思います TR−4は、その後TR−4C、TR−4Cwとバージョン・アップが行われ、シリーズとしては、セパレート・タイプのT−4/R−4シリーズと合わせ、1978年の半導体化された TR−7 の登場まで、10年以上の長い期間にわたって販売された、人気のあった機種です 発売当初の本体価格は $585 と広告されていたと思います プアマン・コリンズ/Poormans collins・・・高名(高額!)な、Collins製品に対して、このようにも呼ばれていました(当時、KWM−2は、$1200位していたと思います) 派生品としては、50MHz帯専用にTR−6と言うモデルがありました ここでご紹介するTR−4は、TR−4シリーズの原点になったもので、3.5〜28Mhz帯をカバーします 1KHz直読ダイヤル・・・メインダイヤルが二重構造になったのは、「C」モデルからです ダイヤル表示ほか、その後のバージョン・アップはあるものの、USB/LSBそれぞれの専用9MHzクリスタルフィルタの採用、従いましてキャリアはひとつ・・・・ダイヤルの目盛りも「ひとつ」ですね・・・3.5/14MHz帯は、IFとVFOだけのMix、その他のバンドはプリMixのシングルコンバージョン、μ同調(スラグ・チューン/PTO)方式のVFO、終段は6JB6 3本(入力300W) これらの基本は、そのまま引き継がれました T4、R4シリーズは、RF同調もスラグ・チューンですが、このもの(TRシリーズ)はVC方式です アマチュアバンド専用ということが、その一番の理由でしょう、きっと 電源とスピーカーは外付け、電源はモバイル運用を目的にDC12V用の用意もありました 今回は、手持ちのYAESU FP−200を改造して使用します(スピーカーは未使用) |
|||
300V→250Vのために 100Ω10W抵抗を5本直列で対応 この写真の頃が、一番楽しい?時期です! |
本体だけ譲り受けました、相当に古いものですが、保管状態は悪くありません 真空管の構成やメインノブの形状から、初期モデルではないようです もちろん、すぐに動作するなどとは思っていません 電源は、いつかこんな役立つ日も来るであろう?と入手していたYAESU FP−200で対応しました ヒーターは、6.5V 6Aが2巻線、高圧も整流出力電圧が、300V、600V、800Vとトランス・タップで選択でき、中圧は300V、そして低圧は、中圧の1/2の150Vと言う内容で、スピーカーを内蔵しています(今回は、スピーカー未使用) 今回は、高圧600Vで使用しますが、中圧300Vは高すぎですので、ブリーダー抵抗を入れて250Vを得ました(さすがに150Vでは、ゲイン不足が顕著) あと、送信ファイナル管のバイアス調整VRを組み入れました 左写真は、本体に電源、そして外部VFOといずれもお腹を見せる形で取組中の様子です |
||
こちらは、シャーシ上面です 青く見えるのは、2つのクリスタル・フィルタです 中央のアルミのケース(四角のもの)は、RF段間調整のVC部分です(スラグ・チューンではありません) 余談ですが、MICプラグは、Collisと一緒の一回り細い3Pプラグと思いきや、通常のサイズです |
|||
こちらは、シャーシ下面です 配線&半田付けは、きちっと行われています このあたりは流石です 上部左が、ファイナル部(ソケット3個が見えます) その上に、交換したスライドSW(受信アンテナ選択)が見えます クリスタルフィルタの下に見える角形コネクタが、外部VFO接続コネクタです 差し込むだけで、認識した動作をします、良くできてます ドレークお馴染みの銅板ぽく見えるシャーシですが、磁石がくっつきます(メッキです!) |
|||
このRV−4 入手時は、不動と言うことでした ボディは、見るからに痛んでいます(保管状態が良くない) 中途半端に、VFO切替SWは動作します でも、真空管のヒーターは点灯しない、VFOもまともな周波数で発振していないようで・・・ TR−4側のコネクタと、このVFO切替SWの接触不良 そして、一番わかりにくかったのは、スラグチューン(PTO)コアの物理的な位置・・・どこでどうなったのか、全く違う位置になっていることが発振周波数がおかしかった原因でした(悩みました!) ※この原因が分かった! 落下・・・きっとケースから出した状態で・・・フロントパネル角が押しつぶされています |
|||
ご覧のように、スピーカーは純正ではありません シャー音があまりに耳障りなので(古くなったせい?)、手持ちのものと入れ替えをしました 真空管が2本 VFOは、Trです、この頃はFETではありません 真空管の1本はスタビロ、VR150/OA2です +10Vを得るためにわざわざ、です 今なら、ヒーターの12.6Vを整流して三端子レギュレータで、ですね 初期のRV−4は、このようにスタビロ+ツェナーダイオードによる半導体VFOへの電源供給になっています メインノブは、手持ちのあったTR−4Cのものに交換しています(元々は、TR−3のようなノブが付いていました、この点からも初期モデルのようです) |
|||
DRAKE PTO の中身をご紹介 | |||
なかなか目にする機会がないものと思います シールドケースは、悪魔ちゃんのしっぽ?のような形をした金具で、引っかけることで固定されています |
|||
今回は、初期のRV−4のPTOを分解したもので、発振はTrが採用されています この後、FETに置き換わっています バッファは、真空管です RV−4 後期モデル以降 OA2省略 真空管は、バッファアンプのみ RV−4C 発振段がTrからFETに RV−3は、この発振段も真空管です |
|||
このコイルの巻き方に、ダイヤル直線性のノウハウが・・・ TR−4CのPTOメカが手元にありますので、もしどこかで元気が出れば、組み替えを図ってみます(1KHz直読になるかも・・・です) |
|||
|
TR-4C トランシーバー | ||
こちらは、シリアルNoから、1975年ごろの製品と思われます 先のTR-4は、シリアルNoから、1971年ごろの製品と思われます 電気的、構造的にはほとんど違いはありませんが、唯一PTOについて、TrからFETに変更になっています このふたつ、一番の違いはメインダイヤル機構でしょう |
||
左が、TR-4 右が、TR-4C TR-4Cは、1KHz直読できる二重ダイヤル構造となっています 関係して、メインノブに周波数の刻みがなくなりました |
||
上蓋(上カバー)を取り外した状態です TR-4とほとんど変わりありません シャーシが銅メッキではなくなっていますが・・・ US品とは思えないくらい、コンパクトな作りです |
||
ファイナルのシールドケースを取り外した様子です ファイナル・チューブの交換は、やや面倒 プレート・ロードVC、それぞれのカップリングを外すことをしなくていけません 写真は、外したカップリングを再びつないだ状態に戻しています |
||
こちらは、底蓋(下カバー)をはずした状態です 右サイドの調整VRあるいはジャック類が下に見えています 左サイドにあるスライドSWが左上に見えます 受信時のアンテナを、送受同じものを使うか、受信専用のものを使うかの選択を行うものです 左下のシールドに囲まれているところは、バラモジ(BM)・キャリア発振エリアです |
||
8P角形ジョンソンコネクタは、外部VFO接続用です ケース底に外部VFOを接続?と普通の感覚なら驚きです |
フィルタは、USB/LSB切替方式 キャリア周波数は同じ・・・すなわちUSB/LSBでダイヤルの補正は必要ありません 当時は、USB/LSBの切り替えごとに、3KHz(±1.5KHz)ダイヤルをずらせて読み取る方式が一般的な中で、とても贅沢な設計といえるでしょう(今では、そんなことフツー状態ですね) この1キャリア2フィルタ方式を採用したのは、国産では最初は、TRIO TS-900、そしてNEC CQ-210・ユニデン2020くらいでしょうか VFOの周波数をシフトさせて見かけ上、読み取りカーソルを一つにしたのは、Collins、HeathKitなど |
|
ファイナル部のシャーシ下です こうしてみると、全体のコンパクトさに比べ、スペースに余裕を感じます 通気を意識したことでしょうか |
||
リアパネル シンプルです 底面やサイドパネルが大活躍、というコンパクト設計の結果でしょう 左側の穴の開いたパネルは、トランスバータ使用時のための改造用に用意されているものと思われます |
||
右サイド マイクやヘッドホン端子は、こちらに用意されています 左サイドに、受信アンテナの切替SWが配されています |
||
本機には、何とも言えないトラブルが・・・ その1. VFO(PTO)が稼働していることを示す、ダイヤル右の赤ランプ…ネオン球ですが、これが点灯しません Reg150Vには異常がなかったので、原因はランプそのもの ブラケットを分解して中身だけを交換して、接着剤で封じ、元に戻しました 取り外したネオン管は、内面が真っ黒になっていました(古くなったグロー球みたい) その2. 受信音が全くしない・・・AF-VRの端子を指で触るとブーン音はします 最初、AF初段Tr回路の電源供給を疑ったのですが問題ありません 原因がわかってビックリ・・・そのAF-VRへ検波段からの接続シールド線、そのホットとコールドが逆・・・ これでは音はしません(検波信号が届きません)が、いったいどこでこうなったのでしょう??? |
||
|
||
この後、CWフィルタを内蔵した「初代TR-4Cw」が登場し、その後±3KHzのRIT機能を内蔵したモデル(同じTR-4Cw)が発売され、これが最後のTR-4モデルとなりました NBのON/OFF-SWのところがRITノブとなり、NBのON-OFFとRITのON-OFF のボタンSWが新たに配されました そして真空管方式を採用したモデルはここで終わりを迎え、オールソリッドステートでアップ・コンバージョンのスーパー・ヘテロダイン方式の採用で、ゼネラル・カバレッジを実現した、TR−7が登場しました 1978年だったと思います |
||
|
無線機歴史博物館に 戻る | ||
|