hallicrafters HT-40

本機は、1960年代に販売された、3.5MHz帯から50MHz帯をカバーする、当時のUSノービスクラス向け送信機です
日本で言えば、TX-88A、TX-88Dでしょうか
1961年の販売価格$99.95というデータがありました
終段6DQ5 入力75Wというものです
当時のUSノービスクラスは、HFは、14MHz帯を除きCWのみ、Phoneは、VHFということもあってでしょう、AM変調は日本では本格的なプレート変調、プレート・スクリーングリッド同時変調が一般的でしたが、本機(US)では、キャリアコントロール変調(クランプ管変調)が採用されています
変調部がとてもコンパクトになりますから、電源/筐体いずれもコンパクトに仕上がっています
Collins 32Vシリーズや、EF Johnson Viking Ranger のような本格的な送信機にあっては、プレート・スクリーングリッド同時変調が採用されています
お話を戻して、本機ですが、キャリアコントロール変調(クランプ管変調)の採用で、
340W x 185 x 210mm  約7.8Kg と、30W程度の出力を持つ送信機としては、大変コンパクトなものです
VFOは、別です
相方の受信機:SX-140 
VFO:HA-5とセットで
SX-140のケースは、再塗装したもの
シャーシ上面
真空管は、わずか4本
マイクアンプ  12AX7
マイクアンプ・クランプ管  6DE7
発振/バッファ  6CX8
終段  6DQ5
クランプ管変調を採用することで、これだけシンプルになります
75W入力に見合うプレート変調器を用意したらどうなる?
背面側よりシャーシ上面を見るとこんな様子
電源トランスと、チョークトランスが両サイドに
真ん中は、終段管6DQ5です
hallicrafters製品に使われている真空管には、ちゃんとhallicraftersロゴがプリントされています
6DQ5も・・・
シャーシ底面です
段間同調コイルの切り替えは、なかなかユニークな構造が採用されています
整流はご覧の通りダイオード
耐圧を稼ぐためでしょう、2本直列で使ってあります(この当時のダイオード1本では、耐圧が足らない?)
倍電圧整流です
また、この頃のお決まり?、商用電源入力側にはラインフィルタが装着されています
終段管は、ご覧のようにシャーシに少し沈めてあります
リア・背面です
アクセサリターミナル(4P)には、アンテナリレー制御、マイク入力が用意されています
マイクジャックの右にあるVRは、マイクゲインコントロールです
本機の入手で、このラインアップが揃いました
日本でいう59ライン・・・
この世代において、実用性の高い無線機器としては、割り切り方を中心に、明らかにこちらのシリーズが一枚上手です
2024.05  JA4FUQ

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