ゾーニングを目的に=鳥獣害対策ロボット=
11月26日から28日にかけて、東京ビッグサイト 南2ホールで開催される『アグリビジネス創出フェア2024』に、実証実験に使用した「鳥獣害対策ロボット」を現物出展します(総-29 地域産学連携コンソーシアムの中)
人前でのデモですので、画角内に人を検知したら威嚇行為を行わないという設定を外さなければ・・・
ここでの目的は、生活圏の線引き/ゾーニングです
理想ではありますが、ゾーニングがきちんとできれば、野生と人との共存を可能とします
理想と最初から諦めるのではなく、理想に近づけるチャレンジ(努力)はするべし、です
チャレンジ 追い払い行為について
単純なものでは、相手に学習されるのは時間の問題
かといって、相手にとって何をしでかすか分からない、すなわち一番警戒されるはずの「人」の姿が見えない、あるいは人でさえ安全(自身に危害を加えない)と学習されたかのような中山間地域の実態
そんな条件の中で、追い払いの効果を継続できる仕組みが構築できないものか、というのがチャレンジのスタートで、自身が狙われているとの判断があれば、誰でもがより警戒、場合によってはその場から逃げます
カラスでも、以下でご紹介の模擬銃(花火発射台)を肩に担いで傍を通るだけでは逃げませんが、銃口を向ければ逃げます












こちらの「絵」は、野猿の例 
カワウの追い払いにも貢献(放流した傍から、アユの稚魚を食われる被害)
お話を戻して、相手を識別し動きに追従することができれば、追い払い行為(忌避行為)も追尾して実行できるのではないかということでチャレンジをスタートさせました
カタチになってきたので、次は実際のフィールドにおいて、本当に追い払い効果が継続できるのか、その検証を行う実証実験に段取りを進めました
実践(実証実験)
毎年、食害が発生する圃場を守ることに挑戦
忌避手段は、一般にすぐに学習されてその追い払い効果が続かないとされる「光(グリーンLED)」と「銃撃音(パラメトリックスピーカーを採用)」 です
一般に、音や光などの刺激は、象徴的な脅威とはなり得ても、その後に実質的な脅威(痛みや死)を与えない限り、慣れてしまうのではないかと考えられています
自身が「狙われている」という認識が野生動物側にどう影響を及ぼすのか、その効果を明らかにできることを期待しての実験です
「正確な追尾が、慣れを防止する、という仮説」の証明が出来れば一歩前進です
その結果ですが、一定の成果が確認できました
限定公開ですが、どんなものか具体的にご紹介する映像をYouTube上に用意しました
左画像にリンクを張っていますので、ぜひ視聴ください(約1分40秒)
派手な?忌避行為が、周囲への配慮等により現実では使えないことが悩ましく、結果緩い忌避行為の範囲で、その行為を学習されないことを目指すことになります
威嚇後の動きなどについては、チャレンジあるいは 実践(実証実験)のページに映像があります 

以下は、2024年2月開催の第11回全国鳥獣被害対策サミット会場で配布した資料です

表面(こちらのもので生活圏の線引き、ゾーニングを説いています) 
裏面(こちらの裏面で、仕組みを解説しています)  
現状における大きな問題は、野生動物が人の生活圏に侵入してくることであり、その一番の対処は捕獲ということで対策がなされています
人里を知っている野生動物の捕獲が進む一方、人里を知らない野生動物が人里、すなわち人の生活圏に出てこないよう、そこに線引きが必要になります
この線引きが出来なければ、いつまでも捕獲という対策をし続けないといけないことになります
野生動物は増加し、人は高齢化あるいは人口減という地域の現状の中で、勝てる見込みのもてない終わりなき戦いの世界です
互いの生活圏の線引き(ゾーニング)ができれば、人も野生動物も、そのいずれもが自分の生活圏で安心して暮らせるようになります
このことは人にとっての安心と同時に、野生動物の保護にもつながります
野生動物は、自分たちの生活圏で得られる食料の範囲で生息・繁殖する(できる)わけで、人里で効率よく食料を得ることで、生息数が大幅に増えている昨今のような形にはなりません
今までの獣害対策努力、捕獲の先を見据えた、持続性のある獣害対策が望まれます
その昔はできていた生活圏の線引き・ゾーニングが、多分ですが、獣害対策の最終の目標になるのだと考え、人口減の中で出来る方策として「獣害対策ロボット」を開発・提案をしています

余談ですが、サル接近警戒システム『猿人善快』も、同様に生活圏の棲み分けを目指したものです
追い払いをする・・・そこに住む方に、野猿が近づいて来たと、あらかじめ通知ができれば、その人たちが動くことの出来た頃には、十分なゾーニング効果が得られていました
が、追い払いをする人、そこに住む人がいなくなった地域にあっては、残念ながら野猿接近の予知機能は、その効果を失いました
その動ける人の代わりまで、考えなくてはならなくなったのが昨今です 
人が出来なくなったことを機械(ロボット)に置き換える・・・今風です
ここでの最大のテーマは、慣れによる忌避行為の無効化
何をするかわからない超アナログな人間のすることと、デジタルの機械がすることとの違いが大きく、結果慣れによる効果の無効化の問題が必ず生じます
ここをどうやってクリアするかできるかが、最大のテーマといえるでしょう

そこで仮説を立てたのが「正確な追尾による忌避行為であれば、その慣れを防止することができる」です
実証実験の結果からは、一定の成果が得られました   実証実験のまとめ 2024.11.20

本技術の農水分野以外での応用について
今後、普及が進むと思われる風力発電機
洋上設置の発電機を含め、バードストライク問題がついて回ると想像されます
鳥が近づいたら、風車の回転を止めるという策(技術)があるようですが、それよりも近づく鳥を追い払うという発想があって良いと考えます
折角の発電です、その効率を落とすことなく、バードストライク問題の解決ができれば、それがベストでしょう
鳥に対しては、複数個所からレーザー光を当てると、追い払い効果が上がるという研究結果があるそうです
本鳥獣害対策ロボットを、風車に風車の向く方向に同期して複数設置することで、近づく鳥を追い払うことができる可能性が浮上します(機会があれば、トライアルしてみたい!)
特に洋上においては、レーザー光の人に影響を与えるという心配は、ずいぶん軽減されると考えます(人の生活圏にあっては、なかなか使用のお許しが出ない!)
 映像のAI識別によるリアルタイム監視通報システム


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