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6/11//2009  レポート

朝鮮王朝の絵画と日本・追記

■ 岡山県立美術館で行われている「朝鮮王朝の絵画と日本」展を先日紹介しました。
http://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/topcontents/news/2009/060602/index.html
このおり、私が興味をいだくきっかけとなった本について紹介しましたが、会場で購入した展覧会カタログを眺めるうち、いろいろと思い出す事もあって、以下、資料整理もかねてまとめておく事にします。
 
エミレ美術館長 趙子庸著「虎の美術」(1974年)
>> エミレ美術館長 趙子庸著「虎の美術」(1974年) (31.29KB)

大学を出て数年たった頃、はたして過去にどのような虎が描かれて来たかを調べるうち、目にとまったのが、エミレ美術館長であった趙子庸さんがまとめられた「虎の美術」(1974年)でした。

古書店で見つけたそれは、箱からしてとても印象的な姿で、「虎皮図」おそらく豹だと思われる毛皮の模様を写し、並べた屏風が用いられていたのです。

もちろん内容も興味深いもので、これをきっかけに朝鮮の絵画をより注意して見るようなりました。

 
山内長三著「朝鮮の絵 日本の絵」1984年
>> 山内長三著「朝鮮の絵 日本の絵」1984年 (13.87KB)

次に手に入れた本が、当時、発売されたばかりの山内長三著「朝鮮の絵 日本の絵」(日本経済新聞社 1984年)でした。

「朝鮮王朝の絵画と日本」展のカタログを眺めるうち、会場で見た仏画、それもここ岡山にあるという「楊柳観音図」をどこかで見た記憶、私の手持ちの本に掲載されていたような気がして、調べ始めた事がそもそもこの記事を書くきっかけになったのです。

結果、細部こそ違え、基本的に同じ下図を用いたと思われる絵をこの本に見つけました。残念ながら、絵自体は異なった作品でしたが、これを機会にこの本を読み返してみると、今回の県美での展覧会、企画の意図と同じくする方向性をもった内容であったことを今更のように思い出しました。

紹介されている画像のほとんどが白黒であった事、購入した当時の興味が「虎」だった事もあって、この本の内容についてはほとんど忘れてしまっていたのです。「日本画」と呼ばれる存在に対しての疑問は当時も変わらずでしたが、いかんせんあまりに何も知りませんでした。時を経た今、遅々たる歩みながらも少しは書かれている内容、問題意識について理解が出来るようになったような気がします。

この他、調べた手持ちの本

1)韓国の古刺繍(韓国文化院開院記念特別展 1979年)
  県美展覧会カタログに掲載の刺繍と同じ下図と思われるものを発見。
2)雪村 特別展覧(東京国立博物館 1974年)
  花鳥図屏風他多く紹介
3)中国の絵画  特別展米国二大美術館所蔵(東京国立博物館 1982年)

他 中国画人伝 など