| INOUE ICOM IC-201 |
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井上電機製作所(現ICOM)より発売になった、144MHz帯10Wのオール・モード・トランシーバです
1974年に発売されたもの
同じデザインで、やや先輩にFM専用機 IC-210 がありました
こちらは、50MHz帯の IC-71 の144MHz帯モデルです
本機と同じオール・モードの50MHz帯モデルとしては、IC-501 という製品がありました
周波数読取のダイヤル板は、1KHz直読・・・RL.DRAKE社の「Cシリーズ」に似たような構造です
メインダイヤル下のレバーは、ダイヤルの回転する重さの切替レバーです
電飾が綺麗です |
私から見て特徴的な設計は、以下の2点
受信のアッテネータ M結合の本格的なものです
チェックしたところ20dB強の減衰が得られました
VFOは、可変容量VCではなく、コリンズPTOタイプの可変リアクタンス方式が採用されています
井上電機製作所/アイコムとして、アナログVFOで、1KHz直読を目指したのは、もしかしたら本機と IC-501 だけかもしれません
次世代の、IC-551/251からは、IC-710 同様にデジタルVFOとなっています
このPLL技術が、この先の井上電機製作所/アイコム発展の礎になったように思います
お話を戻して、この後1977年に井上徳造社長(当時)は、アーサー・コリンズ氏を訪ねていますが、コリンズ製品に見る性能をリスペクトとしていたのかも知れません
この訪問時には、IC-701(国内モデル名は、IC-710)をプレゼントし、アーサー氏からはその製品について、自分が作りたかったものだと、とても高い評価をいただいたそうです
今回入手したものはジャンク・・・ダイヤル照明ランプが点灯するだけで、他はまったく動作しないもので、メカ的な部分も現状で正しいかどうか判断できないものでした
頑張って、稼働させるところまで(とりあえずスペック・データが得られるまで)手を入れてみました |
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オプションの電源ユニットIC-3PUを差し込んで接続する部分
GTプラグ(ソケット)が、ある程度自在に動くよう工夫して取り付けられています
こうしておかないと、IC-3PUの取り付けがシビアになります
古いもので、差し込みヒューズホルダを開けたところ、接点部が破損して、キャップを回しても固定できなくなり、新しいヒューズホルダに交換しました
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M結合のアッテネータ
窓が開いている部分同士が向かい合った時が最大感度になります
従って写真の状態は、感度を最も絞った状態です
基板ユニットは、送信Mixからドライバ段まで組まれたもの |
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ケース・サイド
1stミキサは、FM/SSB/CW共通
SSB/CWのIF~検波部は、この基板にあります
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もう一方のケース・サイド
プリMIX部
FM変調部もここにあります(ワイド・ナローの切替ジャンパの用意があります)
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ケース上蓋を外して内部を写しています
中央の黒い板は、電源部のヒートシンクです
8Vのレギュレータ
そしてその8Vを送受に合わせて出力する部分です
電源オプション IC-3PUを内蔵した状態です
その電源ユニットの下に見えるシールドされた部分が送信終段部です
下に見える横に細長いユニットは、受信のTOP RF〜1stMIx、1stIF部です
この頃のアイコムでは、このようにユニット化した構成が多く採用されていました |
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ケース下蓋を外して内部を写しています
中央にVFO
その上は、送信のミキサーからドライブ部
一番下に見えるシールドされた箱になった部分は、FMのIF/検波部です
上写真とこの写真に見える基板の間に、いわばベースとなる基板があるのですが、そこに手を入れるだけの分解は困難です
この点、保守性は悪いと言わざるを得ません
ジャンパ配線しか対応策が無い状況に追い込まれます! |
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こちらが特徴的と思われるVFO部
中央に太く見えるダストコアが、この写真では左右に動くことで、発振周波数が変化します
いわゆるスラグチューン、μ同調です
このコアの取付位置が正常かどうかわかりませんが、現状で一番近いマーカー(500KHz)で校正して、ダイヤル読取誤差1KHz程度です |
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リアパネルです FM専用機 IC-210 に比べ、送信終段の放熱器、ヒートシンクが小型化されています
パワートランジスタの効率が上がったのか、FM連続送信ほど発熱しない前提か、何でしょうね
終段トランジスタは、このヒートシンクに取り付けらておらず、反対面に取り付いています
電源ユニットは、純正のIC-3PUです
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ジャンク
なかなか大変な対応が必要でした
送受信の切替に使われる8Vのラインが、送受それぞれ必要な個所全てにつながっていない・・・どこかで接続が切れている状態でした
基板のスルーホール抜け、基板の半田割れ(クラックが入っている)など、原因はさまざま
それもマザーボードとなっている一番ベースの基板には、簡単にはたどり着けません
ジャンパーで配線を追加するしかない対応もありました
が、特にどこかが特に劣化したというわけではなく、復旧はしました
調整ずれというか、前のオーナーが不用意に触った感はあります
再調整しました
VFOメカは、固着とまではいっていませんが、スムーズに回るとは言えない状態で、清掃及びグリスアップしました
その結果で、お決まりのスペック・チェックです
送信パワー
144.0〜146.0MHzの範囲で、11〜12W IC-3PU使用時
受信感度
SSB/CW 0.2μV信号ON/OFFで、S/N10db(スペックは、0.5μV)
FM 0.4μV入力時 1KHz3.5KHzデビエーション ON/OFFで、S/N20db(スペックは、0.5μV)
と、いずれもスペックはクリアしています |
| 2025.11 JA4FUQ |
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