醍醐桜 岡山県真庭市
「醍醐桜」1998年制作 ※画像をクリックすると少し大きく表示することが出来ます。企画趣旨に沿う幾つかの候補の中から、やはり絵になるということで真庭市の醍醐桜を選び描くことにした。制作するにあたって何度も醍醐桜に足を運ぶことになったが、この決定には初めての取材のおりの印象が大きく作用したように思う。まずは樹の骨格を捉えたいと、シーズン少し前にこの地を訪れた。花の蕾がやっと膨らみかけたばかりのシーズン前とあって、まだ訪れる人は無く、静かな出会い、ファーストコンタクトとなった。吉備高原から林の中を抜ける山越えの道、所謂九十九折の道を登ってこのあたりと車を停め、振り返った瞬間のあの時!(出会いの言葉、この感動の様子は、紀田順一郎さんの文章を是非一読ください)。もちろんこの時一度限りではなく、花の季節、そして散る頃、夏の葉桜と何度もご一緒した。1999年山陽新聞120周年企画の中で紀田順一郎氏の随想「華やかな荘厳 落合町の醍醐桜」と共に新聞見開き2ページをまたぐ巨大な画像「醍醐桜」(新聞印刷の技術面でも新しい試みだったそうです)として、掲載された。+++++ 初めての取材から約20年が過ぎた。 この記念の特別企画ページは読者の評判を呼び、その後の連載企画「吉備悠久」に繋がることになった。新聞紙面1ページをまるまる使った贅沢な企画、当初は二ヶ月に一度の掲載(のちに諸事情から間隔が延びた)、岡山県内約60箇所を取材、絵に描く機会をいただいた。2006年に記事44箇所が書籍としてまとめられたことも嬉しい出来事の一つ。『吉備悠久』についてhttp://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/kibi.html(ふと気づけば、この出版も10年以上前の話になっていました)
この絵「醍醐桜」、桜の絵を特集した書籍掲載や、また美術館での企画展にたまに展示されることはあっても、通常は所蔵先の山陽新聞社内部(なかなか入れない場所)に飾られており、実物をごらんいただくことが無いのが実情でした。ちょうど現在、岡山県新見市の新見美術館企画展「日本画山脈」展で展示中です。実物をご覧いただく機会となれば幸いです。日本画山脈 再生と革新〜逆襲の最前線(新見美術館・2017年5月28日まで)http://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/topcontents/news/2017/031101/index.html※※作家・紀田順一郎さんの「醍醐桜 (真庭市)」是非御覧ください。(URLをクリックすると、紀田順一郎さんのサイト記事が表示されます)http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2017/041501/index.html
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制作するにあたって十分な時間を確保するためには、早急にテーマ、場所を決める必要があったが、何分突然の話でもあり、また当時、土地勘(岡山出身とは言え、高校卒業以来の東京暮らし)も無かった私にとっては当初雲をつかむような話であったことを思い出す。セットとなる文章は、やはり東京から時を同じくして仕事場をここ吉備高原に設けられた紀田順一郎さんが担当くださるとのこと、当時普及を初めたばかりのパソコン、情報関連の書籍で他の著者方々とはちょっと違った視点、今を先取りするような試みの記事を書かれる方、また日本語入力(パソコンの日本語変換黎明期)の根幹部分に関わられていると東京時代から存じ上げており、その紀田順一郎さんと取材をご一緒できると喜んだことを思い出す。