野生猿は去る? サル接近警戒システム (鳥獣類接近警戒システム 特許第4070747号) 猿人善快 運用ノウハウについて |
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対策の基本は、いくら装置や仕組みが進化しても何も変わりません 文明が進んだら原理原則が変わる・・・は、ありませんね! 情報の共有化について、最近の事情・・・日頃地元(ほ場)に人がいらっしゃらないことが増えているなか、普及した携帯電話網を利用して・・・というケースが増えています 単純に通知するだけであれば、装置から直接Mailを飛ばすことも出来ます(機能に制限あり!) 多くの方を対象に通知を出したい、深夜時間帯を決めてMail送信を止めたい、受信履歴も一緒に管理したい(現地に回収に行かなくても!)、通知の組み合わせを考慮したい、装置の死活確認をしたいなど細かいニーズに対応することが可能な、ASPシステムも安価にご用意させていただきました(猿人善快ASP for Personal) こちらは、ノートPCと常時接続出来るインターネット接続環境があれば、自前で運用いただけます また、この仕組みを利用して、Webページ上に、動きを反映させるとか、告知システムのコンテンツのひとつに組み入れることなどが可能になります |
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先にも記していますが、警戒システム設置現地から、直接Mail通知する機能も持っています この場合、登録できる通知先は3件までですので、通知先が多い場合は、プロバイダが提供しているメーリングリストの活用をして下さい あと、細かな設定・・・例えば、夜間の通知を止める、等の機能は持ちません(通知記録というか検知履歴は残り、USBメモリで回収できます) 一般に、設置先毎に携帯網接続ルータの用意が必要なケースがほとんどでしょう 昨今では、月額¥1,000程度の固定使用料で、データ通信使い放題のプランの用意があります 上記のイメージ図で、警戒システム設置場所からインターネットへLAN接続出来る場所までの通信を無線LANを使って構築できれば、ここに書いた新たな通信料の発生はありません 設置場所の周辺で利用できるインフラがあれば、そのものの活用がリーズナブル・・・ランニングコストをかけずに運用することが出来ます |
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【研修ノウハウ】 やはり広域での対応が必要ですし、またそこに住む農家の方の行動が不可欠です 情報の提供、追い払い・・・これはお互い様ですから、互いに協力し合って・・・です 情報の共有、地域での連携・・・・これらが野生猿被害防止にとても有効であることを知っていただくことからスタートです このことをご関係の皆さまに理解していただくために行われた研修会の様子をレポートします 考え方は、地域に住む方全員を対象に研修を行うことです もちろん、子どもたちには子どもたちに分かる内容でお話しします 鳥獣被害防止担当者だけが対象・・・ではありません 地域をサルたちのエサ場にしない・・・これは誰かだけの努力で出来ることではありません 地域に住む全員が意識して取り組まなければできないことです あと、2つの人種を地域に作らないこと・・・猿害から守る人と守ってもらう人を作らないと言うことです 役所(行政)を当てにしてもいけません、自分たち地域に住む人自身のテーマです |
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【運用ノウハウ】 大きくポイントは3つ 1.設置場所の選定 ここに被害がでるから、ここを何とかしてくれ!! 現地に伺うとまず最初にお聞きする言葉です その「ほ場」に何とかしたのでは遅いのです オイシイ餌を手にした状態で、追い払いをしても効果は半減します(半減以下) 食後の運動気分で逃げるサルを追いかけるのも、腹が立つだけでしょう 一度オイシイ思いをすると、少々の危険は覚悟でまたやってきます 自分の生活圏(餌場)だと認識してしまいます まず、「ほ場」に近づけないこと、そこに餌があることを教えないことを目的に設置場所を決めます 追い払いをするわけですから、そこに人がいるところでないと意味がありません 1時間もして人が来たのでは間に合いません(役所に電話して・・・では間に合わない) あるところに近づいたら、必ず人がでてくる・・・このことをサルたちに教え込みます すなわち餌場を教えないのではなく、ここは人が出てくるところだということを教えます そうです、この場所は、人の生活圏だと教えるわけです そのことに都合の良いロケーションを選びます 2.追い払い(人の生活圏であることを教える!) サルが出れば、大音響で脅せばいい! 自動化はできないのか? 花火が追い払いに効果があるという情報は、皆さま良くご存じです ただ、音がすれば驚いて逃げる・・・というだけで解決はしません 人がでていくから、それも大きな音をさせて来るからサルは逃げるのです おっと、ここは自分たちの生活圏では無いのか!?って 単なる音だけでは、3回目には慣れてしまいます・・・音だけか!!、人の生活圏では無いのだ!! です 追い払い・・・人がでて追い払うのです だから、ここは人の生活圏だ!と教えることが出来るのです 難しいことではありません 極端に言えば、散歩コースを変更するだけで効果があります サルが近づいたらしい → 朝の散歩を、ほ場、山際コースに変えよう ご近所数名で、犬の散歩をかねて・・・犬を数匹連れて これで十分です ただし、すでに餌場としてサルたちに認識されているなら、当初は花火を使うとか、脅かすことで、 追い払う・・・・山に押し戻すことは必要です(お考え、いや知識を改めてもらう!) とにかく、いろんな方法で、この場所は、人の生活圏だ!ということをサルに教えます 教えてしまえば、あとは警報がでたときに、散歩コースの変更をする程度、すなわちこの場所は 人の生活圏だ!とサルたちにアピールする(確認させる!)ことで十分です 従いまして、彼らの接近を予測できるシステムは、大変効果が期待できるという結論になります 住民の方の負担も、極めて少ないですし、いつくるか分からない敵にイライラすることもありません 地域を野生動物のエサ場にしない 全く同じ趣旨です その地域で食べ物が得られると言うことを経験させない・・・接近を予知して、多くの人が姿を見せる ことで、近づけないことで予防しようというのが、本接近警戒システムです すでに地域がエサ場になっている・・・過去にそこでエサにありつけるという経験をした連中には、力 ずくで、追い払う必要がある・・・ということです サルには洞察力はありません、過去の経験についての学習能力の高さに、やられているというのが 実体です この学習能力を逆手にとって、この場所は自分たちの生活圏ではないことを教えるのが予防措置です 3.脅し道具(ロケット花火・閃光花火) すでにサルたちに「餌場」だと認識されている地域であれば、当初は強攻(強行)策が必要です 改めて、ここは人の生活圏だと言うことを教えることが必要です 人が出て、花火で脅かすことで効果が得られます(ロケット花火、閃光花火など)
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なにか被害が出ると、役所になんとかしてくれ・・・・従来このパターンが標準?だったようです まず基本として、役所は個人の資産を守ってくれることはしません あくまで自己防衛(自己防除)です 行動域調査を行い、近づいてくる予測をする・・・・まさに台風の進路予想と同じですが、ここまでを公的にすることは、いまこのシステム(大学の行動域調査と本システム)で、できています この情報を元に、自分の資産を守るのは本人です どうすれば資産が守れるのか、やはり自分で行動するしかありません 効果を高めるためには、ここにお書きした3つのポイントをしっかり理解いただいて実践していただくことです 後は、捕獲を努力して、多くのサルに発信器を取り付けること 発信器もサルも寿命がありますから、常に捕獲の努力は欠かせません 捕獲用檻の餌管理もきっちりしないと、そうそう簡単には捕まってくれません こちらも行政と地域の方の協力体制が不可欠です |
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ものを作って売るより、講師料と交通費をいただいて講演して歩く方がお金になるよ・・・・某農業試験場の方から、面白がられてしまいました(いや、アドバイスをいただきました) そのノウハウをご紹介いたしました 設置場所の決定については、本当のところ現地でお話を聞いて、ロケーションを見て決めたいところです 今のところ、近隣については(車で、片道2時間以内)、直接出かけて農家の方と行政の方に同席いただいて、具体的なお話をお聞きし、ご説明した上で設置・運用を行っています サル被害対策協議会、あるいは対策組合のお集まりに参加させていただくことも少なくありません 運用の説明会(研修会)も対策協議会などに段取りしていただいて開催しています また、設置の都度、その地域の方を対象に、警報がでたときの運用について、ミニ研修会を開催しています 遠方の場合は、地元の業者さまを選定いただき、その業者さま経由でシステムを納品させていただいています |
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この事業のスタートに選ばせていただいた岡山県真庭郡美甘村では、このソフトウェア(運用)の整備がバッチシであったということが実証されたように思います 具体的には、 1.行動域調査が先行して行われていた 進路予想するだけのデータがあった(もちろん継続中・・追い払いで行動が変化します) 1.自衛団よろしく地元鳥獣害対策協議会が機能していた 行政主体ではあったが、自分たちの被害は自分たちで守ろうとする住民意識が高まっていた 1.設置場所の選定が良かった(行政担当者の現状把握と地域住民への説明が良かった) 行動域調査からの正確な情報 すぐ近くに住む方の理解・・・・アラームですぐに追い払いに(なんと猟師さんばかり!) 結果的に、この装置の設置場所には、サルは姿を見せなくなりました(被害ゼロが続く) 猿の行動パターンが変わって来ました 、今までこなかったところに姿を見せたとか、いつもとは違う時期に現れたなど、行動に変化が生じています 広域対応が必要な理由があります 1.自然の範囲に囲い込むことで、被害の縮小と彼らの保護という一石二鳥が得られる 1.広域情報により、今が安心できるか、それとも追い払いの用意が必要かなど予知が可能になる |
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2010年1月には、電波法改正後(新規格)の発信器を導入して、従来のシステム8基をリニューアルして稼働を再開しました(平成の大合併で、美甘村は真庭市に) | |||||||||||||
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産官学の協力による成果 とっても小さな事業ではありますが、昨今提案されているところの産官学一体事業と考えて差し支えない内容だと私は感じています(最近の流行語?で申し上げれば、三位一体!) この産官学に住民参加まで・・・・と、最強のチームワークによる成果だとも言えます 行動域調査(学)、住民参加のアイディア(官)、プランの具現化(産)・・・・産官学の協力で生まれたのがこの『サル接近警報システム』であり、その設置場所での被害『ゼロ』というのは、地域住民の方々の積極的なお取り組みがそこにあることに他なりません ここらにノウハウがあるということがよく分かりました 産官学一体事業のモデルケースになってもおかしくないかも!等、勝手に自負しています??? |
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サルの場合・・・ どうもおまえが出ていくと人間が現れる おまえの食べ物も取ってきてやるから、ここにじっとしていろ・・・・ もしかしたら、近い将来「電波発信器」をつけたサルの仲間がこんな行動をとるかも知れません 「学習」の研究にもつながるのかな??? 今度は、発達心理学の先生をお招きしないと・・・・??? 等々言っていたら、本当にそうなってきました 教育委員会の管理・・・すなわち文化財としてサルを管理しているところでの発見ですが、ある程度餌付けをしながら、ある範囲を出ていかないように接近警戒システムを設置(8基)して管理しているところで、餌付けの場には現れるが接近警戒システムで検知できないサルが出てきました 自分がそこに近づくと警報が働く、管理専従者が走ってきて追われる、ということを理解したとしか思えません サルは賢く、餌付けの場では同じ専従者に「頂戴」をします が、追われるときちんと逃げます 相手の「仕事」を良く理解しています やはり新たな発信器の取り付けを継続してやらないといけないと言うことを、改めて認識させられた一件です |
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